■内閣:エジプトは「エジプト誌」原版を喪失
デモ隊が科学アカデミーに放火
2011年12月17日『アル=アハラーム』
カマール・アル=ガンズーリー首相と全閣僚は、今般の襲撃に深い遺憾の意と激しい非難を表明した。襲撃とは、本日(17日)朝、デモ隊が科学アカデミーに放火したことである。デモ隊は、祖国の歴史や文明の象徴を保護するという全エジプト国民の責任を一顧だにしなかった。
今日内閣から出された声明は、「今朝、エジプトはエジプトの民族的遺産と傑出した歴史の宝物を失ってしまった。これは、デモ隊が科学アカデミーに資料・地図・収集物などの至宝があると承知で放火した結果である。これらの宝物は、いかなる状況においても取り戻すことができないものである。その中には、『エジプト誌』(訳注:ナポレオンがエジプト遠征時に作らせたエジプトの博物誌)の原版や、かけがえのない歴史的地図や文書のコレクションも含まれていた。これらの資料は、この由緒ある建物で230年間、すなわち1798年8月フランスのエジプト遠征時の科学アカデミー創設以来、エジプト人が何代にも渡って保持してきたものである。」と述べている。
加えて、同声明は「知的な悲しみと非難の激しさを増幅させることに、科学アカデミーとその中にあったかけがえの無い歴史的遺産は焼失してしまった。それはエジプトの文明とエジプト史の遺産の編纂の象徴であった。この象徴は、歴史の黎明から我々の現代に至るまで世界中を魅了してきた。この無目的な者の行為は、祖国の文明と歴史に損失をもたらした。」と述べた。
内閣はこの声明を、エジプト共同体全体に向けて発表した。それは、この祖国の地にいる全てのエジプト人男女が、国家の諸機関や当局と並び、我らが歴史・遺産を守り、保護する目となるためである。
声明は、こう述べる。「総理大臣は、政府は祖国の権利と圧倒的多数のエジプト人民の権利に対するこの種の違法行為を追跡するだろうと強調した。大多数の国民は、このような行為と無関係である。このような行為は、この偉大な国民の感情を反映しえない。同様に、栄光ある1月25日革命、清純なエジプト青年による革命参加者に帰属していると称することができない。エジプト全ての人民は、エジプトの偉大な革命をエジプトの再生と建設と進歩のための革命にするために決起した。革命の期間中、エジプトの施設や財産は守られた。」
声明は、「首相と内閣は犯罪行為捜査を注視する。捜査は、検察がこの犯罪行為の原因となった者たちに対して行っている。」と付け加えた。これに関連して、首相は、罪の大きさを考慮して、可能な限り早期に容疑者を裁判にかけるよう通達を出した。
(後略)
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( 翻訳者:石川貴子 )
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