エルドアン首相記者会見、「フランスは我が身を振り返るべきだ」
2011年12月18日付 Zaman 紙
フランスは、1915年の事件に関してアルメニア側の主張を否定することを罪とみなす法案を再提出した。これに対し、タイイプ・エルドアン首相が強い遺憾の意を示した。
エルドアン首相は、一昨日、フランスのニコラ・サルコジ大統領に手紙を書き、「法案が通過すれば重大な結果を招く」と警告していたが、昨日の記者会見ではフランスがアフリカを植民地支配した過去に言及した。そして「(1915年事件を)虐殺だと考えたい人たちはわが身を振り返り、自身の血で汚れた歴史を見よ」と述べ、以下のように話した。「もしフランス国民議会が歴史を取り上げたいのなら、アフリカで起こったことを、ルワンダを、アルジェリアを明るみに出すがいい。もっと言おう。1915年事件でフランスがどのような役割を担ったか、どのような態度、行動、政策をとったかを明るみに出すがいい。」
■ エルドアン首相:ギュル大統領の任期、5年ではなく7年に
リビア国民評議会のムスタファ・アブドゥルジャリル議長と記者会見を行ったエルドアン首相は、フランス議会が12月22日に取り上げる、「虐殺の罪の否定に対し、禁固1年及び罰金4万5千ユーロの刑」を見込む法案に関し、引き続き反発した。フランスのサルコジ大統領に一昨日送った手紙では、「このような計らいは誰の利益にもならない」と書いたという。この問題が議会で取り上げられることは大きな間違いであり、これは大学、古文書館、そしてこの問題に関して行われた学術的研究が扱う問題だとして「フランス国民議会が、歴史の歪曲、嘘の歴史を否定した者を罰するという過ちを直ちに改めるよう望む」と述べた。そうでない場合には、トルコがこの「底意ある」行動に対して、あらゆる外交手段を用いて抵抗することを強調した。
エルドアン首相は、カダフィー後の苦しい移行期にあるリビアの問題に関して、重要な発表を行った。新政府が国内の平和と安定のために真の努力を行うことを信じていると述べ、リビアにおけるこの移行プロセスを出来る限り支援することを強調した。また、リビア国内での安全保障の確立のため警察総局が1月にリビアを訪問すること、そしてリビア国家移行評議会への寄付や信用貸し契約が3億ドルに達したことを説明した。
1911年に(イタリアの)リビア占領に対し、ムスタファ・ケマルをはじめオスマン軍がリビアの人々と力を合わせて抵抗し、リビアをともに守ったことを強調したエルドアン首相は、以下のように続けた。「トルコはその歴史において、搾取を行ったことはない。帝国主義的な干渉をしたこともない。トルコの歴史に、ある国を占領し、その後その国のすべての資源を奪ったことはない。残念ながら西欧の文献は、1945年5月8日に殺された100人のフランス軍兵士のことを挙げながら、4万5千人とも言われるアルジェリア人の死者について今日全く取り上げていない。同様に、1994年にルワンダで80万人が虐殺された事件におけるフランスの関与も全く議論されていない。歴史家も政治家も、誰一人としてわが国の歴史の中に虐殺を見つけることは出来ない。(1915年事件を)虐殺だと考えたい人たちはわが身を振り返り、そして自らの血で汚れた歴史を見よ。」
エルドアン首相は、シリアのバッシャール・アサド首相にも反発を示した。歴史はいかなるときも独裁者を許さなかったことを強調し、「シリアにおけるやり方が、独裁者のやり方だと現在私たちは見ている。シリアでこの状況が変わらず続く場合、シリア政府は独裁が許されないということを直視する必要がある」という表現を用いた。エルドアン首相はギュル大統領の任期に関する質問に対し、「私たちはこの件に関して、大統領の任期を7年にする方向で考えている」と答え、この問題が1月に憲法委員会で取り上げられる予定だと伝えた。
■ 「手術後4キロ痩せた」
エルドアン首相は、健康状態に関する情報も伝えた。消化器官の手術のあと、4キロやせたとしながらも、健康状態は良好だと話し、以下のように述べた。「今、健康だから皆さんの前にいる。ご存知のように私は高等軍事評議会の会議に参加し、その後の話し合いにも参加した。昨日は閣議を行い、先ほどまでには首相府にたまっていた書類に目を通すこともできた。まったく不調はない。この手術に力を尽くしたすべての医師に敬意をもって感謝している。」
■ 「党内に分裂などはない」
エルドアン首相は、八百長罪に減刑を求める法案に対し、一部の公正発展党員が反対していることにも言及した。党内に分裂はないとし、以下のように述べた。「一部の党員の異なった発表があったかもしれないが、最終的に発表されたものが最終決定である。即ち、我が党の内部ではいかなる分裂もない。もちろん異なる意見を示す人たちはいるだろうが、考えのぶつかり合いから真実の光明が生まれる。私たちはこのような理解を持っている。」
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( 翻訳者:菱山湧人 )
( 記事ID:24871 )