トルコ・フランス間の関係に亀裂が入っているこの時期に、フランスは作家のヤシャル・ケマルにフランスの最も偉大な勲章である「レジオンドヌール」を授けた。
フランスのこのレベルの勲章が、トルコ人に与えられたのは初めてのことである。レジオンドヌール委員会ジャン=ルイ・ジョルジュラン総裁もこの勲章は授けるために初の訪土をおこなった。授賞式は昨晩イスタンブルのフランス・パレスで行われた。
■隣も周りも地獄
1984年にレジオンドヌール勲章の「司令官」賞を受けたヤシャル・ケマルは、今回同じ賞の最もランクが高い「大将校」賞にふさわしいとされた。
ヤシャル・ケマルは、ジョルジュラン総裁について「私のことを私以上に知っている方です。かつてフランスのミッテラン大統領は私の友人でした。しかし、現在新しい友人がいます」と述べた。ヤシャル・ケマルは、スピーチで次のように述べた。
「今日は、私にとって大きな誇りであると同時に、大きな喜びの日です。私にこのような賞を与えてくれたフランスにとても感謝しています。『自由と平等と友愛』が全人類の共通の願いです。EUの思想の基本にフランス(の思想)があります。多くの芸術家のように私も芸術が世界を救うと思っています。しかし、私はあたり一面、地獄の様相です。本当に芸術は、特に今日の世界で、何の役に立つのか、私のやっていることは無駄ではないだろうか、と自問自答しています。しかし希望とは人類の最も大切な価値の一つです。私は今も、望みを捨ててはいません。フランスの思想家、芸術家が再び、この新しい世紀に偉大な貢献をし、人を人たるものとする価値を崇高なものにするであろうと信じています。」
■サルコジの名前で与えられた
ジョルジュラン総裁は、ヤシャル・ケマルに賞を授ける際に、彼の人生と文学上の冒険、表現の自由に対する闘いについても言及し、次のように話した。
「ナポレオン・ボナパルトによって設立されたレジオンドヌール賞は、フランスの最上位の賞である。その人生、自由と正義に向けた闘いを続けてきたケマル氏以上にこの勲章が妥当な人物がいるでしょうか。すぐれた作品、マイノリティの権利、異文化間の対話について真摯に発言してきたことにより、大統領の名のもとにこの賞を氏に授けます。」
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( 翻訳者:新井慧 )
( 記事ID:24874 )