カナダ首相:エジプトの新体制は前体制より悪いかもしれない
2011年12月27日付 al-Quds al-Arabi 紙

カナダ首相:エジプトの新体制は前体制より悪くなるかもしれない

2011年12月27日『クドゥス・アラビー』

【オタワ:AFP】

 月曜日[26日]、カナダのスティーブン・ハーパー首相は、カナダはエジプトの新体制が失脚した独裁者フスニー・ムバーラクの体制よりも悪いのではないかと懸念していると表明した。

 月曜の夜放送される予定のカナダのテレビ局「CTV」との年末インタヴューにおいて、首相は以下のように述べた。「明らかに民主主義と民主的変革を望む勢力はある。しかしまた恐らくエジプトの状況を以前より悪化させるようなことを望んでいる他の勢力もあることも確かだ。」

 そして「そのため、我々はある意味ではエジプトに対して常に警戒している」と付け加えた。

 またスティーブン・ハーパー首相は、民主的な新生エジプトで政権を取ろうとしている「勢力」が何なのか明らかにはしなかった。

 エジプトのリベラル派の一部や、西洋人の一部は、イスラームの過激な解釈(=イジュティハード)を訴える諸団体の勢力が伸びていることに懸念を表明している。これらの団体は、議会で大きな権限を獲得しうる団体である。

 12月はじめ、ムスリム同胞団を含むイスラーム主義諸政党のリストはエジプトの議会選挙の第1段階で65%以上の票を獲得した。これに対し、リベラル派の連合の得票は13%だった。

 エジプトにおける民主主義への移行段階の進展が不透明なせいで、カナダはイスラエルの安全保障についても懸念している。

 ハーパー首相は、「私は、イスラエルのネタニヤフ首相と協議した。確かに、我々は懸念している。」と述べた上で、「過去数十年間を通し、イスラエルとエジプトとの和平は両国と地域に役立った。両国の和平を脅かすできごとは、どのようなことであれよいことではないだろう。」と表明した。

 また、同首相は、12月に実施されたエジプトの選挙は、同国の歴史上最初の自由選挙であり、“非常に前向きな”実践であったと述べた。同首相は、「しかしながら、同時に衝撃もあった。エジプトには、コプトはキリスト教徒などを含む抑圧されてきた少数派がいる。この件は、非常に懸念されることである。」と付け加えた。

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:関谷悠 )
( 記事ID:24990 )