ギュル大統領、引退国会儀議員の年金大幅ひきあげの法案を、国会に差し戻す
2011年12月31日付 Zaman 紙

ギュル大統領は、国会議員の退職年金の増額を含んだ法案への承認を拒否した。法案が社会通念に反しているためであると述べるギュル大統領は、法案を再び審議するため国会に差し戻した。

アブドゥッラー・ギュル大統領は、引退した国会議員への年金の増額を定めた法案をもう一度審議させるべく国会に差し戻した。ギュル大統領は拒否の理由について、当該の議員年金増額法案が社会通念に反しているためであると強調した。国会は15日内に法案を再審議する予定である。もし、同じ内容で法案が再び大統領に送られてきた場合、大統領は2度拒否する権限はない。引退した議員達に年金の増額をもたらす法案は、世論において数々の議論を引き起こしてきた。その後矛盾を含んだ様々な発言がおこなわれたことにより、法案が、4党の同意によって国会審議にかけられていたことが判明した。

ギュル大統領は、世論の反発を引き起こし、引退した国会議員年金が5300トルコリラ(約21万円)から7700トルコリラ(約31万円)に引き上げることを定めた法改正への署名を拒否した。法案再審議のためトルコ大国民議会(TBMM)に差し戻したギュル大統領は、その理由として「[議員年金を受け取る議員自身が属する] 立法機関が議員年金の中身を定める裁量権を持っていること、及び年金の月額を定める際に根拠とした比率[42]が、今後8年間、高い比率[60]に引き上げられて適応されることは、 社会通念に反していると思われるからです」と語った。

先週の真夜中に行われた法案審議によって、引退した国会議員年金を「大統領退任者年金額の42%とする」という表現が、「条項で定められた42%を、2020年12月31日までは60%とする」という形に修正された。このようにして先に国会議員の年金額とされた5300トルコリラは、7700トルコリラに引き上げられることになった。国会で4党の同意によって通過した法案は、承認のため大統領に送られた。しかしながら世論の反発を受けて、共和人民党(CHP)は態度を変えた。法案に反対してきたと主張するCHPのケマル・クルチダルオール党首は、一昨日にギュル大統領に書簡を送り、法案を拒否することを大統領に望んだ。民族主義者行動党(MHP)のデヴレト・バフチェリ党首も、「大統領閣下 が(サッカーの)八百長試合と不正な奨励金に関する諸法案で感じていらっしゃる呵責をこの法案でも感じておられるのならば、拒否権を行使し、議会に法案を差し戻すことでしょう」との呼びかけを行った。

法案を法学者達に調べさせたギュル大統領は、昨日ジェミル・チチェック国会議長を招聘した。大統領官邸で行った会談は40分続いた。会談の後、ギュ ル大統領は、第6262号「トルコ共和国年金基金法及びそれに関する若干の法に関する修正の扱いに関する法」の第16条をもう一度審議させるべく議会に差し戻した。 党の中央執行委員会の会合の後、新聞記者達の「法案が議会で修正されずに再び大統領に提出されるか、そうでないのか」という質問に対し、公正発展党(AKP) のヒュセイン・チェリキ副党首は、「そう思いません。大統領閣下がこれについて明らかにしている様々なお考えは、法案に反映されるでしょう」と返答した。一方のCHPのクルチダルオール党首は、法案が議会に差し戻されたことに満足していると述べた。

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( 翻訳者:濱田裕樹 )
( 記事ID:25025 )