ノーベル賞受賞作家であるオルハン・パムク氏に5歳の息子がいると報じられた。
パムク氏の新しい恋人であるカロリン・フィシェクチさんの、パムク氏の一つ前の恋人でインド人作家のキラン・デサイさんに対する発言が記憶に新しいなか、また別の恋人にまつわる噂が波紋を呼ぼうとしている。この元恋人の主張によると、オルハン・パムク氏にはドイツ人女性との間にアルベルトという名前の5歳の息子がいる。
ハベルチュルク紙のエリフ・ケイ氏の報じたところによると、匿名を希望する元恋人の主張は次の通り。
オルハン・パムク氏のドイツ生まれの息子の母親は、ハンブルグ大学トルコ学部で教鞭をとるキャサリーナ・ドゥフト教授である。このドイツ人教授は、オルハン・パムク氏が2005年にドイツ出版賞を受賞した頃に同氏と知り合った。ドゥフトさんの息子アルベルト君は、2006年にオルハン・パムク氏がノーベル賞を受賞する前に誕生していた。
■ドイツで父子関係確定訴訟
主張によると、パムク氏は生まれた日からこれまでアルベルト君と一度も会っていない。特にノーベル賞受賞後はこの件を内密にしたがり、母親に口止め料を送った。さらに、ドゥフトさんがドイツで父子関係確定訴訟を開いて勝訴したこと、しかし息子がパムク氏の財産を相続できるように現在トルコでも同様の裁判を開こうとしていることが取り沙汰されている。
オルハン・パムク氏は、新しい恋人であるカロリン・フィシェクチさんの前にインド人作家キラン・デサイさんと交際していた。二人がインドの観光地ゴアのカラングート・ビーチでロマンチックな休暇を過ごしている様子が、ゴア在住のトルコ人写真家によって撮影された。パムク氏(59歳)とデサイさん(39歳)が交際していることが明らかになると、パムク氏はデサイさんへの愛を認め、「キランが私のガールフレンドであることを隠すつもりはありません。彼女は大変賢く、美しい人であり、偉大な作家です。インドは彼女を誇りにすべきです」と述べていた。
■終わった恋、新しい関係
デサイさんは、パムク氏と同様にニューヨークに住んでいる。デサイさんは二番目の小説 “The Inheritence of Loss”(邦題『喪失の響き』)で名誉あるマン・ブッカー賞を受賞した。パムク氏は交際を続ける中で、あるインドの新聞にデサイさんとの関係について「私たちは互いによく助け合っています。キランは私の本が英語に翻訳されるとき私の力になってくれました」と語っていた。カロリン・フィシェクチさんは先ごろインタビューで、パムク氏がインド人作家キラン・デサイさんと築いた関係は利益を目的としたものであったと仄めかした。オルハン・パムク氏には、元妻であるアイリン・チュレギュンさんとの間にルヤという名前の娘がいる。
■ノーベル賞を受賞した初めてのトルコ人作家
トルコでノーベル賞を受賞した唯一の作家であるオルハン・パムク氏は1952年にイスタンブルに生まれた。ロバート・カレッジを卒業後、イスタンブル工科大学で三年間建築を学んだ。ジャーナリズムを学んだ後23歳のとき小説の執筆を始め、1982年に処女作 “Cevdet Bey ve Oğulları’’(『ジェヴデト氏と息子たち』)が出版された。この作品でオルハン・ケマル小説賞を受賞した。パムク氏は1990年にアメリカに渡り、 この地で “Kara Kitap” (『黒い本』)を書いた。彼の作品はトルコ国内だけでなく海外でも文学賞を受賞し、2006年にはスウェーデン王立科学アカデミーからノーベル文学賞を受賞した。この年、タイム誌によって世界に最も影響力がある人物100人の一人に選ばれた。作品は60言語に翻訳され、100カ国以上で出版され、1,100万冊刷られた。オルハン・パムク氏は、トルコの小説界における最も重要な人物の一人と見なされている。同氏にはルヤという名前の娘がいる。パムク氏はスイスの雑誌のインタビューで「この土地では3万人のクルド人と100万人のアルメニア人が殺されました。私以外には誰もこのことに言及する勇気を持てませんでした」と発言し、このために刑法301条に触れたとして裁判にかけられた。この裁判では無罪になった。
■キャサリーナ・ドゥフト教授とは?
パムク氏を以前から身近に知っている者ならば、ドゥフト教授のことを知っているだろう。キャサリーナ・ドゥフトさんは2007年から今日までハンブルグ大学トルコ学部で教授として教鞭をとっている。ドゥフトさんは1993~2001年にベルリン大学でトルコ学と哲学を学び、同時にボアジチ大学でも平行して教育を受けた。2003~2005年にはサバンジュ大学で研究員として働いた。この教授はこれまで「オルハン・パムクのイスタンブル」、「オルハン・パムクの作品におけると私-アイデンティティ」といった研究をしている。
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( 翻訳者:篁日向子 )
( 記事ID:25047 )