イスラエル、アッバース大統領とパレスチナ高官に制裁措置
2012年01月11日付 al-Hayat 紙

■イスラエル、アッバース大統領とパレスチナ高官に制裁措置

2012年1月11日『アル=ハヤート』

【ガザ:ファトヒー・サッバーフ】

 パレスチナの情報筋が本紙に明らかにしたところによると、ベンヤミン・ネタニヤフ率いるイスラエル政府はパレスチナ当局を脅し、彼らによる「挑戦」に警告を発して、マフムード・アッバース大統領や複数のPLO執行委員会メンバー、ファタハ中央委員会メンバー、閣僚たちに一連の制裁を科した。

その情報筋によれば、制裁が科された背景には、PLOが昨年9月にパレスチナ国家の国連正式加盟を申請したことがあるという。加えてこの制裁は、イスラエルの入植停止までは交渉に応じないという、アッバースやパレスチナ当局、PLOの姿勢や、ネタニヤフ首相への敵対的態度や扇動であるとイスラエル高官に受け止められているパレスチナ側の姿勢が原因となっているという。

 制裁は、アッバース大統領を含め、パレスチナの高官全員に移動禁止令を科し、自由な移動のために必要なVIPカードの発行を禁じるというもの。

 この禁止令を出したのはイスラエルの総合保安庁(シャバク)で、アッバース大統領やパレスチナ高官の移動の自由は、期限が2ヶ月のみの許可証によって例外的に認められる。またイスラエル政府は、エルサレムや入植、国連や国連の諸機構への加盟問題についてメディアに向けて語ったあらゆるパレスチナ高官に制裁を行うという。この情報筋によれば、あるイスラエル高官が地位の高いパレスチナ高官を脅して、イスラエルに挑戦し続けるなら、高い代償を支払わせてやる、と警告した。

 一昨日に二回目の会合が開かれたアンマンでの二回の交渉会合で何らの進展も見られなかったこと、また、国境と安全保障に関する交渉に向けた提案を用意するためにカルテット(米・国連・EU・露)が定めた3か月という期限が終わる今月26日以降は、イスラエル高官とのいかなる会談にも応じないとのパレスチナ当局の姿勢からして、イスラエル政府は今後もパレスチナ大統領と自治政府、高官に対する措置をエスカレートさせると、この情報筋は予測する。

さらに情報筋は、この新たな制裁措置は古くて新しい政策であり、実質的な支配権はパレスチナではなくイスラエルにあるという内容のメッセージを送るというのがイスラエルの目論みであるとの考えを示した。

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( 翻訳者:橋本琴音 )
( 記事ID:25146 )