■カルバラへシーア派巡礼者1500万人の予想
2012年1月12日『アル=ハヤート』
【カルバラ:AFP】
イラク当局は昨日、イマーム・フサインの死の追悼のため、1500万人のシーア派巡礼者がカルバラを訪れることを予測した。追悼は次の土曜日にピークに達し、35000人の治安要員が警護に当たる。
カルバラ県知事のアマール・ディーヌルハッルは次のように述べた。「イマーム・フセインの死の追悼のため、1500万に達する巡礼者がカルバラにやってくることが予想される。そのうちの20万人はアラブ人と外国人である」。カルバラの街へは10日間途切れることなく巡礼者が到着し、イラクの各方面、特に中部と南部の県から徒歩でやって来た約100万人の巡礼者たちが、毎日カルバラに入る。
カルバラ県へ至る主要道路には、巡礼者のために飲食物や宿泊の場を提供する数千のテントが広く設置されており、一方で、治安部隊はパトロールのため各地に配置され、その警護のために空軍のヘリコプターが上空を旋回している。
カルバラでは数日前から自動車が完全に通行止めになり、巡礼者が歩くために道路があけられた。また、道路の周辺には、治安部隊が5重に配置された。
中部ユーフラテスチームの活動のリーダーであるウスマーン・アル=ガーニミー氏は、「治安対策の結果、60名のテロリストが逮捕され、巡礼者の通る道路に隠されていた14個の爆発物を解体した」と述べた。
一方、治安対策にも関わらず、巡礼者を狙った一連の攻撃で、カルバラへ向かう途中だった数十人が死亡、負傷した。中でも目立ったのは、南部のナシリアの町の西部、アル=バトハ郡における自爆攻撃で、結果的に48人が死亡し、それとは別に80人が負傷した。
これに対し、カルバラ県知事は以下のように述べた。「県内での治安計画は正しく実施されており、これまでに県内ではいかなる損失も出ていない」。
また、カルバラ県知事は政府に対し、巡礼者が自分の県へ帰るためにカルバラを発つ時、彼らを輸送することは県の力ではできないとして、政府の尽力を懇願した。
運輸省は、巡礼者を居住地区へと無料で帰すため、バスの旅客輸送隊を作ったり、旅客輸送隊便組織したりしていた。しかし巡礼者が集中するため、これらは十分ではない。このような困難に直面しながらも、巡礼者は訪問中に見られた組織体制を賞賛した。
巡礼者の1人で、巡礼を終えてワーシト県に帰る途中のウンム・アリー(60歳)は「今年の巡礼は過去の年に比べてより組織化されていた。」と述べた。
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( 翻訳者:田邉瑞穂 )
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