治安維持軍、Facebook上での個人情報の流出に警告:インターネット泥棒はSNS利用者を待ち伏せしている
2012年01月05日付 Jam-e Jam 紙
【社会部:マルヤム・ユーシーザーデ】「フィルタリング破り〔※〕」の使用者やSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サイト)の利用者たちは、自分たちの個人情報が盗まれる危険性がその他のインターネット・ユーザよりも高いことを、治安維持軍サイバー警察(FTA)は警告している。しかし、それにもかかわらず、 仮想空間を忍び足で移動しているから、誰もその跡を追うことはできない!などと、安易に考えているユーザがいまだにいるのが現状だ。
※訳注:「フィルタリング破り」とは、「プロキシー(代理)・サイト」などを経由してフィルタリングを回避する手法のこと。イランでは国が「有害サイト」のフィルタリングを行い、一般国民が自由にウェブサイトにアクセスできないようにしているが、これに対抗するためのプロキシー・サイト情報が一般に広まっている。
あなたはまるで、水族館に飼われている一匹の魚のような存在なのだ!あなたの周囲には分厚いガラスがあるので、外にいる人を見ることはできない。だからあなたは、誰もあなたのことを見ていないだろう、などと思い込んでしまう。
しかし実のところ、〔ガラスの外にいる〕巨大な怪物たちにとって、あなたはちっぽけな遊び相手にすぎない。彼らはあなた方の細かい動きまで、見ることができるのだ。インターネットは、つまるところ、こうした水族館のようなものなのである。特に、もしあなたがSNSや出会い系サイトのメンバーになったり、フィルタリング破りに依存したりすれば、あなたについてのプライバシーなど、「絵に描いた餅」だ。
〔‥‥〕知人や友人、同僚など〔周りにいる多くの人〕がこの種のSNSに依存していることを、ほとんど誰もが知っている。そして我が国では、外国のSNSは通常、フィルタリングされているので、SNSを利用し続けるためには、当然フィルタリング破りを使用せざるを得ない。
■ 名誉が傷つけられる犯罪が増加中
昨日、FTA(サイバー警察)の予防担当副長官代理を務めるアリー・ニークナファス大尉は、SNS、特にFacebookを通じて情報が盗まれ、個人の名誉が傷つけられるような犯罪が増えていることについて、警告を発した。
同氏の警告は主に、プライベートなものであると通常考えられ、現実社会では見ず知らずの他人に見せることなどしないような写真を、FacebookのようなSNS上で共有している女性たちに向けたものだ。〔‥‥〕実際このような行為は、「インターネット恐喝犯」たちにとって、犯罪への道を「地ならし」するような行為なのだ。
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一部のSNSに対して危機感を抱いている国は、イランだけではない。例を挙げるならば、イギリスで運営されている「離婚オンライン」(
divorce online)が最近発表した統計によると、イギリス国内で成立した離婚のうち、およそ33%の原因がFacebook絡みだったという!
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■ なぜフィルタリング破りは問題なのか?
インターネット・ユーザにとって、〔ネット上には〕多くのサイトが存在するが、それらは〔イラン国内では〕様々な理由でフィルターがかけられている。インターネット・ユーザのなかには、好奇心や特別の目的から、何とかしてそのフィルターを破ろうとする者がいる。外国の出会い系サイトもまた、フィルターがかけられたこうしたサイトの一つである。
FTA判別・予防担当副長官代理は昨日、フィルタリング破り、ならびにVPN〔Virtual Private Network(仮想プライベートネットワーク)〕利用者に対し、次のように警告を発した。「フィルタリング破りを利用している人物の情報はサーバーに登録される。フィルタリング破りを提供している者は、こうした人々の情報を手に入れているのだ」。
ニークナファス氏は発言の別の箇所でさらに、「フィルタリング破りを使用することは、法律に基づき禁止されている」とも強調した。
「私たちのためを考えてくれる人など、どこにもいない。フィルタリング破りを私たちに提供している者たちは、利益を追求しているだけなのだ」。これは〔ITの専門家である〕ネッマティー氏が述べた言葉である。同氏はニークナファス氏の指摘を認めた上で、次のように明言している。「我が国で現在普及している、およそ全てのフィルタリング破りはアメリカ製であり、出会い系サイトのように、ユーザらの個人情報を入手するための作成されたものなのだ」。
同氏によると、フィルタリング破りの作成者たちは、よくて利用者の氏名、居住地、大学名、さらに趣味や友人の名前などの情報を手にしているという。最悪の場合、彼らは利用者のE-mailやGmailのアカウント名ならびにパスワードまでも入手できるという。
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( 翻訳者:8406055 )
( 記事ID:25164 )