メリル・リンチ、2012年のトルコの経済成長率ゼロを予測
2012年01月12日付 Hurriyet 紙

メリルリンチ社は、2012年のトルコの成長率は0%になると予測した。今年上半期でマイナス成長率を見込むメリルリンチ社は、年末には成長率は0%になると強調した。

イスタンブルで開催された会議でメリルリンチ社は、「メリルリンチ2012年投資戦略への展望」を発表し、トルコが2012年上半期でヨーロッパと並んで(経済成長率)2.5%の縮小が見込まれると話した。

メリルリンチ社は、2013年にはトルコは6%成長が期待されるとも述べた。
同社中東・北アフリカ首席エコノミストであるトゥルケル・ハムザオール氏は、トルコにおいて消費者クレジットローンに急速な落ち込みが見られること、消費者による消費が減少したことも成長率0%予測のきっかけになったと述べた。

ハムザオール氏は会議の際に、成長率に関して政府となぜ異なる見解であるのかという質問に対しては、「政府は2012年に4%といった楽観的予測を行っている。しかし、消費者指数や貸与されたクレジットを見ると、事はそうなっていないことが分かります。我々は、この件はそのように考えていないのです」と述べた。

■失業率は2ポイント上昇

ハムザオール氏は、2012年の雇用市場にたいしても悲観的な見方を示した。ハムザオール氏は、今年失業率は2%上昇することが見込まれると説明した。メリルリンチの予想によれば、失業率は2012年に10.4%から12.4%へと上昇する。

■我々は投資対象国としての好機を去年逃した

ハムザオール氏は、発表の中で行った説明では、メリルリンチ社として2011年にはトルコを投資対象国だと見込んでいたこと、さらにこの予測通りにならなかったのは遺憾だったと述べた。
ハムザオール氏は、「トルコは、2011年に投資対象国としての好機を逃した。今年は、トルコでは急速な成長が硬直し弱まり、経常赤字に直面する停滞期になるはずである。2012年は投資家らが、そして企業家らがじっと待ち続ける年となるだろう。トルコが投資対象国であるという位置づけは、2013年に改めて話題になることを期待する」と述べた。
ハムザオール氏は投資対象国となるには、雇用の問題が最も重要であるとも強調した。

■「10月以降に中央銀行が行ってきた政策を説明しようと努めています」

スピーチ後の質問に応答したハムザオール氏は、中央銀行の政策について次のように述べた。

「10月以降、中央銀行は翌日物金利の幅を拡大して以来、私は特定の投資家に中央銀行が何をしようとしているのか説明はしませんが、中央銀行(の政策)は、簡潔で予測可能でないといけません。投資家は、金利が2日後にどうなるかを予測できない市場に資金を投入することは望まないでしょう。我々は、上半期後半以降、マクロリスクが減少し、将来をよりよく見通せる環境において有価証券投資での増加が見込まれると考えています。政府と異なる点は、政府は「ヨーロッパで起きていることは明白だが、我々の身に降りかかることはない。資金調達をし、国内でも企業や消費者は消費をし続ける」といった見方をとっている。我々は、世界をこのように見てはいません。銀行のバランスシートが縮小するというのは、トルコに分配される資金の減少という意味になります。成長する、投資を、と言っていますが、資金をどこから見つけるのでしょうか」

ハムザオール氏は、近年急速に成長しているトルコで、過去2年間様々な投資を行ってきた消費者は、ドルや金利が上昇する環境では消費をしないと予測しており、中東でも成長が鈍ると考えられており、トルコがヨーロッパ内で失った市場のパイを中東においてつかまえることができない可能性があると述べた。

■金は2000ドルで終値に

メリルリンチ社は、2012年にユーロ/ドル為替は6月に1.3、12月には1.4水準になると見込んでいると述べた。
同社は、現在1オンス当たり1654ドル水準である金の価格は、2012年には6月に1750ドル、年末12月には2000ドル水準になると予測している。

■グローバル経済は3.7%成長する

同社の報告書を書いたポートフォリオ戦略エキスパートのヨハネス・ジョーステ氏は、2012年にグローバル経済が発展途上国に牽引され3.7%成長すると説明した。
同社報告書では、先進国が巻き込まれている赤字スパイラルが経済後退の可能性を高めているが、世界恐慌に至る前に、そこから脱却できると述べた

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( 翻訳者:石川志穂 )
( 記事ID:25174 )