レイラ・ザナの借家、家宅捜査される―KCK捜査
2012年01月14日付 Radikal 紙


ディヤルバクル選出無所属議員レイラ・ザナ氏のアンカラの借家が、クルディスタン社会連合トルコ議会(KCK)捜査の一環として、昨日朝家宅捜索された。

昨日、平和民主党(BDP)議員らの一日は、KCK捜査によって始まった。アンカラで、ディヤルバクル選出無所属議員レイラ・ザナ氏、元BDP議員ファトマ・クルトゥラン氏、それに元民主人民党首兼BDP党議会メンバーのトゥンジェリ・バクルハン氏の家が家宅捜索された。クルトゥラン、バクルハン両氏は、事情聴取を受けた。警察がザナ氏の家を家宅捜索しているとき、BDP会派副代表ペルヴィン・ブルダン氏の要請により、ジェミル・チチェキ・トルコ 大国民議会議長が仲介に入った。チチェキ議長は内務省に電話をし、大臣と話をした後、BDP議員に事情を伝えた。

■「ザナ・ファンのものだろう」

KCK捜査の一環として、昨日トルコ全土で123の場所で捜索が行われたが、そのうちのひとつは反発が高まる原因となった。その場所とは、「手違いで」家宅捜索されたレイラ・ザナ氏の家であった。家宅捜索はザナ氏が留守中に行われ、これに関してBDP議員は、警察がドアを壊して中に入ったと主張した。このことを聞いたBDP会派副代表ペルヴィン・ブルダン氏はジェミル・チチェキ・トルコ大国民議会議長に連絡し、同議長はイドリス・ナーイム・シャーヒン 内務大臣に電話をした。しばらくしてからジェミル議長はブルダン氏に電話をし、「家の契約書にはジャーヒト・ヨルダシュという名前が書いてある。この人物について、検察庁は、捜査・逮捕命令を出した。捜査はザナ氏に対するものではない」と言った。

これを受け、ブルダン氏がザナ氏の家に行き、警察にこの家がザナ議員のものであることを告げ、壁に掛けてあった議会で撮られたザナ氏の写真を指しながら、「この家が他人名義のものだとしたら、この壁の写真は何だ」と言った。警察は、「ザナ氏のファンのものかもしれない。我々にはわからない」と答えた。ついには、ザナ氏の所有品や、パソコン、iPadが押収された。

イスタンブル共和国首席検察官フィクレト・セチェン氏は書面にて発言し、捜索が行われた場所は「C.Y容疑者のもの」であること、そしてこの場所はザナ氏と「何の関係もないことが明らかになった」と述べた。

■ザナ氏:「好きなように捜索すればいい」

レイラ・ザナ氏は、ブリュッセルへ出発する前にアタテュルク空港で発言し、「何故家宅捜索されたのかわかりません。私の自分の家はありません。親戚が借りた家で、借家です。好きなように捜索すればいいと思います。このために予定をキャンセルするということなどもありません」と言った。

「私の家は前にも家宅捜索を受けて、逮捕され、刑務所にも行きました」と話すザナ氏は、次のように続けた。「まだ遅くありません。家宅捜索されてさえも、これら全てはクルド問題の解決策がないことの結果だと思います。今日、トルコでは将官さえもテロリスト容疑で裁かれているのは、問題の解決策が見つかっていないことを表してい ます。」

■「ドアを壊したのは間違いだ」

公正発展党(AKP)会派エリタシュ副代表「KCKと関係がある者に対して、この者がどんな立場の者でも、必要な介入をしなければならない。レイラ・ザナ氏の家にドアを壊して入ったのならば、これは間違った行為だ。しかし、聞いたところによれば、鍵屋に開けさせて中に入ったようだ。鍵を貰ってそれで 家宅捜索することもできたと思う。」

トルコ大国民議会ジェミル・チチェキ議長:「国会議員に対して事情聴取、捜索、押収、逮捕などの法的行為を行うのであれば、法律に沿って最大限に注意を払い、又、法務省が出した通達に基づいて法律に明記されている機関そのものが行い、議員特権に期待される目的に沿うという点で、慎重に扱ってもらいたい。」

■大家はBDP議員に家を貸さない

ディヤルバクル選出無所属議員レイラ・ザナ氏が住んでいた家が他人名義で借りられていたことは、首都におけるある差別を明るみに出すこととなった。ザナ氏が娘と住んでいた家は、親戚の名前で借りられていたことがわかった。アンカラのBDP議員らは、まさにレイラ・ザナ氏同様、他人名義で家を借り、契約をしていて、本人たちはその家ではお客のようになっている。この理由は、家が標的になることを防ぐため、それに、大家がBDP議員に家を貸したがらないためである。

■アフメト・チュルク・民主社会会議(DTK)議長も経験

これと似た出来事は、アフメト・チュルクDTK議長の身にも起こったていた。チュルク議長は、隣人がトルコ国旗を掲げて抗議をしたことでチュクルアンバルにあった家から逃げるはめになり、オランに新たに家を借りていた。しかし、そこでも隣人の反発を理由に、家具を運んできたチュルク議長に対して大家は、「お前に家を貸すのをやめた」と言った。バトマン選出議員アイラ・アタ氏も、バトマンに親戚の名で家を借りたときに、ザナ氏と同じような状況に陥った。

警察が家とザナ氏が無関係なのを証明するためにアパートの管理人も事情聴取した、とBDP議員らは発言した。

BDPギュルタン・クシャナク共同代表も、中央執行委員会(MYK)委員アブドゥルケリム・ビンギョル氏の家のドアが壊され家宅捜索されたこと、警察が、「ドアを壊した。修理して、鍵を変えた。鍵を取りに来なさい」と電話してきたことを語った。

■BDPの反発

-エルドアン首相はBDPについて解党決定を下した

BDP本部は、昨日慌しい様子であった。ギュルタン・クシャナク共同代表は記者会見を開き、ザナ氏や他の議員の家のドアが壊されて家宅捜索され、さらに事情聴取を受けたことを説明し、「AKPという山賊が都市部に降りてきたことを明確に表している」と言った。クシャナク共同代表は、この事件の責任はエルドアン首相にあるとし、「AKPよ、お前のテロリズムに、弾圧に、独裁政治に、我々は屈しない。首相は自らBDPに関して解党決定を下しました。憲法裁判所は必要なくなりました。AKPは、BDPのような強固な野党に耐えることができないのです」と述べた。クシャナク共同代表は、会見の後記者と話す中で、「ザナ氏は個人的なメッセージを伝えました。それに対し、首相は特別措置をとりました」と言った。BDP側からのその他の反発の声は、次のとおりである。

BDPセルハッティン・デミルタシュ党首:「これは首相の指示だとわかっています。一方では、ケナン・エヴレン元大統領の起訴状を作成しています。エヴレン元大統領は、『クルド人はいない』と言っていました。彼のクーデターはこの方針に基づいていました。AKPのクーデターはといえば、『クルド人を排除しろ』という指示のもとに行われているクーデターです。私は、全て国民に次のことを言いたい。すなわち、気をしっかりともつように、このような日々にはもちろん終わりが くる、ということです。この独裁政治は終わります。国民は、AKPの独裁精神、独裁行動に屈しません。トルコ国民も、民主的な力、反発を、見せ付けるでしょう。国民は、支持する党や政治信念を見放したりしません。今後、『民主政治はご覧のとおり発展している。これらの政策は民主政治の強化につながっている』などという詭弁を、誰も口にしないように。」

オスマン・バイデミル・ディヤルバクル市長:(ツイッターにて)「警察政権は軍事政権と何の違いがあるか?制服や色など、服装が違うぐらいだ。市所属のアラ ム・ティグラン音楽院も捜索を受けた。バーラマ、ダルブッカ、バイオリン、ピアノ、ダフなどの楽器が保管されている建物が、捜索されている。

DTKアフメト・チュルク議長:「クルド民族は、(クルド問題)解決策が親しみをもてるものでない、と初めから言っていた。政府の化けの皮はもう剥がれた。これらは、かつてのデルスィムでの虐殺の続きである。ただ、方法が違うだけだ。」

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( 翻訳者:津久井優 )
( 記事ID:25204 )