エルドアン首相、ディンク裁判判決を論評「民意にそわない」
2012年01月18日付 Hurriyet 紙

レジェプ・タイイプ・エルドアン首相は、フラント・ディンク殺人事件の裁判の結果に関する決定が、世論の良心に不快感を与える原因となったとする一方、上訴の過程を見守る必要があると述べた。首相は事件から32時間後に実行犯が逮捕されたことに触れ、同事件に関し行政がなすべきことは全うしたと述べた。

レジェプ・タイイプ・エルドアン首相は、新聞記者メフメト・アリ・ビランドの質問に答えた。ルポルタージュのディンク殺害訴訟に関する部分は、Kanal Dの主要ニュースにて放映された。ディンク殺害訴訟の結果を評価したエルドアン首相は、裁判の決定が世論の良心に不快感を与える原因となったとし、「私がテレビ放送を見、新聞を読んだ限りでは、世論では、良心に反するという反応が一般的です。しかしながらこの決定は最終決定ではありません。上訴が焦点となっているのです。上訴によって何が起こるかを推測するのも不可能です。上訴では今回の決定とは全く異なる決定がなされる可能性があります。現在上訴する過程にあるため、この件に関するコメントは控えたいと思います。しかしまだ全てが終わったわけではないので、この上訴の過程を見守り追跡する意味があると信じています。正義が勝つことを願っています」と語った。

■「実行犯に別の刑罰が科されることはない」

事件の実行犯が32時間後に逮捕されたことに言及したエルドアン首相は、政府としてなすべきことは全うしたと述べた。エルドアン首相は、(トルコに)死刑制度がないため実行犯に他の刑罰を科すことは不可能であるとし、
「国民の刑罰への期待は様々です。このうち一部に賛成するのは可能ですが、全てに賛成することはできません。例えば32時間で実行犯を捕まえたのは我々政府ですが、その後は司法に属する過程なのです。司法に属する過程が長引いており、ほぼ5年が経過しました。そのため、この過程の中で司法から行政に求められたこと、要求されたことが何であれ、行政はこれらを全うしてきました。今後もこのようなことがあれば、任務を全うし続けるでしょう。
世論の良心は刑量について納得していませんが、実行犯に科された刑罰はこの他にあり得なかったのです。加重化された終身刑が求刑されていますが、死刑制度が存在しないため他の刑罰を科すことができないのです。同件に関し国家は司法機関と共に必要な業務を行いました。司法機関も国家の一要素です。これに関しては、行政として我々に対し何が言われ要求されようと、それらがなされてきました。逮捕過程だけでなく、その後の過程でもまた、要求されたものが何であれ実行してきたのです。そのなかには皆さんがご存知のように、他の被告の裁判プロセスの件も含まれています。」

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( 翻訳者:釘田遼香 )
( 記事ID:25252 )