トルコが欧州人権裁判所(AİHM)に提訴される原因となった宗教欄は、新しい身分証明書からは取りのぞかれる可能性があるとみなされている。
ミッリエット紙のメリチ・タフォラル記者の記事によれば、シナン・ウシュクさんが自分の身分証明書に宗教欄があるのは不当であるとしてトルコを欧州人権裁判所に提訴し、有罪判決をえた件が国会質疑の中で取り上げられた。イドリス・ナイム・シャーヒン内務大臣に対し、トルコが(改善の)履行義務をおっている「身分証明書の宗教欄に関し、いつ変更がなされる予定ですか?」という質問がなされた。
シャーヒン内務大臣は、「IDカードの全国運用の前に、IDカードにどの情報が含まれるかが決定されるでしょう」と返答した。この回答は、新IDカードには宗教欄が含まれない可能性があることを示唆したものだとみなされている。
共和人民党(CHP)ブルサ選出国会議員のアイカン・エルデミル氏は、「欧州人権裁判所が判決を出した日から約20か月が過ぎた。いったい、政府はこの問題に関してどのような政策を進めたのか。欧州人権裁判所が出した判決にそった形で、身分証明書の宗教欄に関して、トルコ国籍法の関連条項に必要な変更はいつ行われるのか?」とレジェップ・タイイプ・エルドアン首相に質問を向けた。質疑に返答したシャーヒン内務大臣は次のように述べた;
■まだ確定していない
「IDカードのモデル運用と施行により、生体認定要素も含んだ電子国民カードが本人確認のために用いられ、すべての本人確認の機能がただ一つの電子カードに集約されることを予定している。IDカードの準備作業は現在、続いている。IDカードの本格運用の前に、住民台帳法41条の枠内で、IDカードにどの情報を載せるかが確定される。」
この発言は、トルコがAİHMに提訴される原因となった宗教欄は、新しい国民カードからは取り除かれることを示唆したものと受け取られている。
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( 翻訳者:富田祐子 )
( 記事ID:25281 )