トルコ国軍、80年クーデターで接収の「議会文書」を返還へ
2012年01月26日付 Milliyet 紙

ネジデト・オゼル参謀総長兼陸軍大将の指示で、(1980年)9月12日に接収された議会文書が返還されることが判明した。トルコ国軍は、議会文書の整理作業を開始した。文書は1ヶ月以内に議会に返還される。議会文書の中には、デルスィム事件関連資料も含まれている。

■特別指示を出した

着任後、文民化に向けた動きで注目されているネジデト・オゼル参謀総長兼陸軍大将は、また新たな試みを開始した。オゼル陸軍大将は、9月12日のクーデターで接収された議会文書をトルコ国民議会(TBMM)へ返還するよう指示を出した。

ヴァタン紙に話した公正発展党(AKP)議員のメフメト・ダニシュTBMM請願委員会委員長は、「1980年クーデター後、TBMMから移動した委員会関連文書の返還を参謀総長に依頼した。参謀総長は、我々の要求に対し、前向きな回答をした。参謀本部は、委員会に関する文書に関し、整理作業を開始し、これらの文書を我々に返還するとした。1ヶ月以内に、デルスィム事件に関する記録を含む文書が我々に引き渡される。これらの資料が歴史の解明につながろう」と話した。

ダニシュ委員長は、「我々は、請願委員会関連文書の提出を要請した。当委員会が国会の最も古い委員会のうちの一つである。これらの文書には、9月12日クーデター以前のものも含まれている。我々の文書は、1980年に移動された。1960年のクーデターにおいても同様のことが起こっている可能性がある。この文書には、デルスィム事件に関する請願も含まれている。その正本がクーデターの際に持ち去られた」と話した。

■デジタル媒体に移される

ダニシュ委員長は、参謀本部にある文書の返還に関し、迅速に作業を進めていると述べ、以下のように話した。「手続きは進んでいる。参謀本部は、前向きな返答をした。一部は見つかっているとも聞いている。我々も彼らに期限を与えた。彼らは、調査を行っているところだ。1ヶ月という期間を与えたが、(参謀本部は)短いと言ってきている。必要があれば、延長することも考えている。80年以前の多くの文書を期待している。委員会の文書に含まれるそれらの請願は、結局は委員会の記録である。よって、過去に関するトルコのある時期の政治史が明るみになるような申請書類が出てくる可能性がある。この点から、重要であると考えている。参謀本部から返還されるこれらの文書は、デジタル媒体に移される。これらの文書は、デルスィム事件のみならず、多くの事件を明らかにする。」

■請願の正本は見つからなかった

TBMMの請願委員会は、1938-1939年のデルスィム事件する請願を調査した。(この時期の)請願の正本を見つけられなかった同委員会は、新たな申請が行われる場合には、下部委員会を設立し、その時期について改めて調査することを目指している。

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( 翻訳者:田辺朋子 )
( 記事ID:25339 )