エジプト:ポート・サイードでのサッカー試合で死傷者が発生した事件を受け、内務省に詰めかけたデモ隊が治安部隊と衝突
2012年02月03日付 Al-Ahram 紙


■内務省突入を試み628人が負傷
■1万人のデモ隊とアル=アハリーのウルトラス、内務省周辺の通りで一進一退の攻防

2012年2月3日『クドゥス・アラビー』紙

【フサーム・ザーイド、アイマン・ファールーク、ムハンマド・シャラービー】
 
昨夜[2月2日]、約1万人のデモ隊が内務省の建物を取り囲み、突入を試みた。彼らは警察と軍最高評議会に反発するシュプレヒコールを叫び、デモ隊の一部と治安部隊のあいだで衝突が起きた。

エジプト救命救急局のムハンマド・スルターン局長が発表したところによると、ウルトラス[=サッカークラブの熱狂的サポーター]と内務省の[警護にあたる]兵士たちとの衝突による負傷者の数は628人にのぼった。事件現場で266人に救急処置が施されたほか、42人の負傷者がアル・ムニーラ病院、10人がカスル・アル=アイニー病院、11人がヒラール病院、11人がアフマド・マーヒル病院、3人がアル=グムフーリーヤ病院、28人がタハリール野戦病院、12人がドゥーバーラ教会野戦病院、3人が移動式診療所へ搬送された。

保健省の情報筋によれば、事件現場には約30台の救急車と6つの野戦病院が集中的に配置され、負傷の大半は催涙ガスによる呼吸困難だという。

デモ隊と治安部隊との小競合いは、昨夜7時以降ムハンマド・マフムード通りと内務省に続く他のいくつかの通りで発生した。デモ隊を解散させるために発射された催涙ガスによって多くが呼吸困難に陥ったが、数千人の若者たちが「国民は処罰を望む[訳注:2月1日にポート・サイードで行われたサッカーの試合でアル=アハリーFCのサポーター多数が殺傷された事件の責任者への処罰のこと]」「軍事政権よ、倒れろ」とシュプレヒコールを叫びながら、コンクリート壁に突撃し内務省への到達を試みた。

通りでデモ隊が一進一退の攻防と大騒ぎを繰り広げる中、負傷者をアル=ファルキー通りから通りの外にいる救急車に運ぶため、再びオートバイが登場し、若い男女が酢とハンカチをデモ隊に配布[訳注:酢が催涙ガスに効くとされているため]、ガスマスクもやりとりされた。

若者たちはムハンマド・マフムード通りに置かれた障壁の一部を破壊し、壁の裏側に抜けてロケット花火に点火する者もいた。また彼らは警官隊に反対するスローガンを叫びながら投石を続け、広場に設けられたスピーカーからは、野戦病院に集まるよう、医師たちへの呼びかけが放送された。

アル=ムニーラ総合病院のマフムード・サイード救急救命室長は、中東通信社に対し、内務省周辺で噴射されたガス弾によって呼吸困難に陥った4名を病院で受け入れたと明らかにした。4人は徴兵中の兵士で、症状は安定しており、救急救命室の医療チームが必要な救命処置と治療を施していると説明した。

さらに室長は、同病院は準備態勢を最高レベルに高め、医師や医療チームの数も十分であり、特に同病院はタハリール広場と内務省から一番近いことから、いかなる状況にも対応できるよう必要品や薬の確保も行ったという。

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( 翻訳者:袖山結生 )
( 記事ID:25434 )