■イスラエルは、彼らの全領土からのパレスチナ人一掃を完遂するために地域的・世界的戦争を押しつけたがっている。
2012年02月日08『アル=ワタン』
【タフスィーン・アル=ハラビー】
1914年以来2度の世界大戦が起こった。そして1917年のバルフォア宣言とそれに続く1939年から1945年までの第二次世界大戦は、パレスチナの強奪、アラブの祖国を分割し、1948年までそれを植民地支配するという最も重要な二つの計画を作り出した。
イスラエル建国宣言、そして現在イスラエル政府は、ヨーロッパではなく、中東が勃発点となる第三次世界大戦を扇動しようと努力している。ヨーロッパは、過去2回の世界大戦の勃発地である。植民地主義や帝国主義の勢力が世界大戦を勃発させる限り、世界は新たに分割され、その結果、新世界秩序が押し付けられた。こうして、イスラエルがそこから受益しようと欲する均衡となった。イスラエルは、アメリカや、ヨーロッパの諸大国をシリアやイランやレバノンやパレスチナの抵抗運動と戦争するように焚き付け、その均衡から受益しようとしているのだが、その目的は、全世界にとって最も重要な油井や石油の輸送ラインをこれら(植民地主義や帝国主義)の勢力が支配することである。
このアメリカ・シオニズム戦争の目的は、1948年のシナリオに似たやり口でイスラエルにシオニズムの計画達成をもたらすだろう。1948年のシナリオとは、テロが起きて、パレスチナ人民の大半をパレスチナの土地から追い出すというシナリオである。イスラエルは、パレスチナ全域でのパレスチナ人の数は、イスラエル人の数よりも少し上回る程度になったとみている。パレスチナ全域とは、ヨルダン川西岸やガザ地区と1948年の占領地を含めた領域ある。そして、イスラエルは、かれらの領土やくにに残った500万人以上のパレスチナ人を追放する以外には、全てのパレスチナ[の土地を]ユダヤ人だけのものにしようというシオニズムの計画は達成できないと考えている。今世紀中に計画の達成又は実行を容易にするためには、地域的・世界的戦争という状況が存在することが必要である。地域的・世界的戦争状況があることは、イスラエルにとっては西洋・米国勢力からの支援を充実させる。想像するところでは、イスラエルやアメリカやヨーロッパは、過去の2度の世界大戦に倣い、そのような戦争には勝たねばならないと考えている。
同様に、イスラエルの指導部は現在米国政府にとって機は熟していると仮定している。なぜなら、シリアやイランや抵抗運動には、これらの当事者に対してアラビア湾岸の産油国が果たした役割が原因でアラブ連盟やその他のアラブ諸国が味方しないからである!?
また、アナリストや中立的オブザーバーらは、上記のイスラエルの願望は、真実や自明の理とは衝突するであろうと指摘する。イスラエルの側には、米国の軍需産業、西洋の大規模石油企業がついている。
真実や自明の真理のうち重要なものは以下に示す。
1.これらのアラブ・イスラームの諸当事者の抵抗力。これらの当事者の火力の源は、伝統的正規戦に加え長距離兵器とともに決然とイスラエル政体に向けられている。
2.この戦争目的の性質に対する、ロシアと中国の先進的な意識があること。それに加えて、両国やその同盟国にとって政治的、経済的、将来的な損失があるとの意識。この意識が、両国に欧米の地域的・世界的戦争を中東で起こす冒険をするのを抑止しようとしてシリア指導部側につかせている。
3.アメリカのユダヤ・シオニズム界がアメリカに対し、アメリカ人の犠牲を以って、既に述べたシオニズムの計画をイスラエルが達成できるようにと戦争を起こさせたがっているということにアメリカの世論は気付き始めているということ。というのも、欧米には負ける危険や無益な戦争であるというリスクがあり、また彼らには様々な経済的・金銭的・軍事的状況がある。
というわけで、ロシアや中国が採る、特にシリアとイランの抵抗を支援するという政策が、当該地域のアメリカやイスラエルやその同盟国に対する抑止力となり続けると仮定するのは正しいのだ。
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( 翻訳者:松尾愛 )
( 記事ID:25502 )