サウジアラビア:イランの核武装への対抗策
2012年02月10日付 al-Quds al-Arabi 紙
■サウジアラビアはイランの核爆弾開発成功から数週間以内に核兵器を手にするだろう
2012年02月10日『クドゥス・アラビー』
【ロンドン:本紙】
サウジアラビアは、イランが最初の核爆発を成功させた場合には数週間以内に核兵器を保有すると脅した。
タイムズ紙は、サウジアラビアの高官の発言を引用して「サウジアラビアはイランに核兵器があるという状況を受け入れないだろう。」と報じた。同紙によると、イランが核兵器を保有した場合にはサウジアラビアも核兵器を保持すると決定しているという。しかし、サウジアラビアの高官らは、サウジアラビアには核保有国になろうという意図はなく、サウジアラビアは依然として当該地域の核兵器廃絶の努力を支援する義務を負っていると強調した。また、イスラエルが彼らの核計画を辞めたりはしないだろうとも認めている。サウジアラビアの直接的なイランに対する反応は、抑止のための弾道ミサイル計画への尽力に加え、外国からの核弾頭購入という形になるだろう。
同紙がサウジアラビアの情報筋からの情報として、戦略的ミサイル部門の指導部が武器市場のミサイル流通を注視していると伝えた。同紙は高官の発言として、「現時点では、一方的措置をとったり、核計画を始めたりするといった措置をとる計画はない。しかし、当該地域の力学はイランが核兵器保有国となった場合にはすぐに変わるだろう。」と伝えた。
この高官によれば、政治的側面から見て、イランが核兵器を保有しているのにサウジアラビアにはそれがないことは受け入れられないという。
リヤドの外交筋によると、核弾頭の売り主はパキスタンになる可能性があるという。というのも、サウジアラビアは、パキスタンの核計画のコストを負担しただけでなく、パキスタンが1998年に初めて核実験を実行した際に欧米から制裁を受けた時にパキスタンを支援したのである。この見返りとして、両国はアラブ湾岸の安全保障が危機にさらされた場合は、パキスタンが核弾頭および原子力技術を売却すると同意した。両国はこのような類のいかなる合意もないと否定しているものの、サウジアラビア駐留の欧米の防衛筋や外交筋は、両国間に了解があると強調した。
また、情報筋によると、サウジアラビアは取り決めに従って、イランが核実験を行った場合、その翌日にパキスタンに対し核弾頭を求めるという。そして、それから数週間以内にはサウジアラビアは核弾頭を保有することになるという。
このことによって、サウジアラビアはアメリカと対決することになるだろう。というのも、アメリカはサウジアラビアと2008年にサウジアラビアが機微な核技術研究をしないという条件付きで平和利用目的の核エネルギー開発を支援するという議定書に調印した*のだ。
[訳者注*:2008年時点では非公式にしかサインしていない。]
しかし、仮にイランが核爆弾を製造した場合、完全に地域の地図は変わるだろう。現時点でサウジアラビアが採ることのできる防衛策は1980年代に中国から密輸された弾道ミサイルCSS-2である。
ファハド国王時代のサウジアラビアは、中国との間で30億ドルの弾道ミサイルの取引を承認した。この取引はアメリカの怒りを買った。
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( 翻訳者:松尾愛 )
( 記事ID:25513 )