BDP党首、「MIT捜査はシリア介入への準備」と分析
2012年02月11日付 Milliyet 紙
デミルタシュ平和民主党(BDP)党首は「国家諜報機構(MİT)に対するこの捜査はシリアへの干渉の事前準備である」と述べた。
セラハッティン・デミルタシュBDP党首は、MİTに対して行われた捜査は、実はシリアへの干渉の事前準備であると主張した。MİT捜査が組織間の闘争ではないと指摘するデミルタシュ党首は、「この件は、トルコの組織間の紛争、衝突のようなものにみせようとされている。しかし私たちはこれを認めない。これはトルコと公正発展党(AKP)の間の紛争ではない。AKPはすでに国自身である。これはAKPの中で起こった衝突である。」と述べた。
昨日ハッキャーリを訪れたセラハッティン・デミルタシュBDP党首は記者会見を行った。シバル・ホテルで記者たちに最近の諸問題 に関して会見を行ったデミルタシュ党首は、特にMİT問題について言及した。トルコでの政治的展開は地域・国際的展開と関係していると述べるデミルタシュ党首は、このMİT捜査も、こうした方向での展開である、と述べた。
デミルタシュ党首は、「特に中東と北アフリカの新構築プロセスにおいてトルコのAKP政権は、困難な任務を背負っている。この任務、この役割を果たすため、たえずAKP政権は追い詰められている。国際分野への参加が求められている。AKP 政権はこの問題に注力している。あるいは、AKPは政権を強化し、外からの支援もえて、自分の望むやり方で進める道をさがしている。この捜査もおそらくシリアに対して予定されている介入の準備である。まちがいなく、クルド問題も、昨今の議論のなかでひとつの要件となっているのだろう。オスロやイムラル島で行われた会談が切り札として使われた。これは非常に醜いことである」と述べた。
■「イムラルからカンディルに来た手紙はBDP本部で押収されたのではない
デミルタシュ党首は、BDPディヤルバクル県本部で見つかった書類のせいで捜査が開始されたという情報が頻繁に流れたと述べ、これは間違いであり嘘の情報であると話した。警察による捜査中。自分も他の国会議員も県本部にいたと述べ、「捜査中、どの文書にも言及されなかった。今、どういうわけか、BDP県本部で非常に内密な書類が押収されたと言われ、この書類が理由で捜査が開始された。こう申し上げたい。この書類はもともと警察の手中にあったのだが、BDP県本部で押収されたようにみせかけ、この捜査の理由にされたのだ。問題の書類は、つまりイムラル(島刑務所にいるオジャランから)からカンディル(のPKK本部)に向けて書かれた手紙であり、これが、BDP県本部やいかなるBDP党員のところにある可能性はない。それは、両者だけがもっているものである。次のことをしっておいてもらいたい。すなわち、この書類を、ディヤルバクル警察は捜査のさいにBDP県本部で押収していない。他にどこから出てきたのかは私たちが知るところではない。しかしMIT捜査が以前から準備されていたものであることを考えれば、その書類を検察に提出すべく、ディヤルバクル県本部で押収されたかのような芝居がうたれたのだ」と述べた。
■「特別法廷は廃止されるべきだ」
デミルタシュ党首は、クルド人問題の解決を議題に行われたPKKと政府との折衝は罪にあたるものではないと述べ、現在、これが間違いであったかのように、関係官僚に責任が押し付けられようとするのは意味がないと述べた。デミルタシュ党首は、AKPは政治の立場から、この件が自分たちの責任で行われたことを世論に説明することが必要だと指摘し、以下のように続けた。
「何かがあったのなら、首相が出てきてトルコ世論に説明するべきだ。PKKと政府の折衝が行われたのなら、それはどこで行われたのか。これらが説明されたならトルコは透明化し、力を得るだろう。今あなたたちが見ているように、暗闇の関係は、様々な国際的な勢力とともに、司法をつかって、一連の捜査を実現している。この捜査で社会の民主主義の期待が閉そく状態に追い込まれている。そこにあるのは、AKPの内部で紛争、衝突である。AKPの中で権力紛争がある。AKPは透明化した場合にのみ、この危機を克服しうる。
そうでなかったら、トルコを混沌に引きづりこまれる。シリアに関し地域紛争の危険がある今、これ程の深刻な危険があることを考えれば、政府は暗闇の政治を続けることをすぐにやめなければならない。
目の前の危機を理由に特定の人間を特別扱いするのは正しくない。問題は、MIT関係者が救済されるといったことではない。問題は3-4人が救済されるといったことではないのだ。
もし何かをやるならば、特別法廷の完全廃止の決定が行われるべきだ。特別法廷と特別検察が、その手から取り上げられなければならない。これをあなたたちが行わない限り、決して私たちはあなたたちの善意を信頼することができない。
すべてが戦争というコンセプトの上にある。この背後に首相がいる。KCK(クルディスタン社会連合トルコ会議)捜査、軍、心理戦争の名のもとにすべて戦時の政治が行われている。AKP政権はもともと5つ、6つの権力が集まり設立した連立政権である。時々この権力が党内でかみ合わない時この種の問題が起こる。正しい姿勢は特別法廷を廃止すること、クルド問題が平和的な方法で解決されること、電話の盗聴に対して予防策がとられることである。」
■「ゲチトリ事件の犠牲者が容疑者にされた」
デミルタシュ党首は、ハッキャーリ群ゲチトリ村で二年前に起こった爆発の結果、9人が命を失った事件に関しても説明を行った。事件の犠牲者であるジャヒット・エルオールさんが6人の親族とともに容疑者とされていると述べた。デミルタシュ党首は、二年間犯人逮捕に関する進展はなかったとし、以下のように主張した。「爆発後、そこの人びとはいくつかの残留品をメディアに見せた。検察は、これを証拠隠滅だといっている。この人びとは家族を亡くし、現在は容疑者として裁かれている。すでに誰も裁判所を信用していないし、裁判所から正義を期待してもいない状態だ。」
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( 翻訳者:藤井彩香 )
( 記事ID:25516 )