「ハラ―ル・インターネットをイスタンブルから提供します」
2012年02月12日付 Hurriyet 紙
イスラム・ソーシャルメディア・プロジェクトであるサラームワールド・ドットコム(selamworld.com)の拠点として、イスタンブルを選んだと発表したサラームワールドのアブドゥル・ワフド・ニヤゾフ会長は、「世界的なプロジェクトですが、一トルコ企業として創設しました。3年間で5000万ドルを投資し、ユーザー数5000万人を目指します」と述べた。
トルコを拠点とするイスラム・ソーシャルメディア・プロジェクトのサラームワールド・ドットコムは、3年間で5000万人のユーザーを獲得することを目標としている。「ハラール・フェイスブック」や「ハラール・インターネット」と名付けられたソーシャルネットワークのために、5000万ドルの投資が行なわれる。サラームワールドのアブドゥル・ワフド・ニヤゾフ会長は、以下のように述べた:「このプロジェクト自体には国際的な枠組みを定めていますが、(会社そのものは)トルコ企業として創設しました。イスタンブルにて活動を開始しました。われわれには4カ国、7人のビジネスパートナーがいます。しかしその中にトルコ人はいません。タタール人の血を引く者としてロシアからは私が、そしてカザフスタンからはクデレエフが出資しています。政治との関わりはありません。一つのウンマ(イスラム共同体)としてのプロジェクトです。われわれはいかなる国とも結びついてはいません。」
■投資を重視している
アブドゥル・ワフド・ニヤゾフ会長は、会社の拠点としてイスタンブルを選んだ理由に関して以下のように語った:「イスタンブルは、人口の大部分がムスリムである都市の中でも最大の都市です。そしてさらに、イスラムとその他の宗教とを結ぶ架け橋でもあります。このため、われわれはオフィスをボスフォラス大橋のすぐそばに構えました。物流の観点からも中心地です。またトルコは、より安定的かつ民主的な(国家)構造を有しています。われわれは、3年間で世界に5000万人のユーザー獲得を目標に据えました。トルコにおいては、3年間でユーザー数1000万人到達を目標としています。このプロセスにおいて、5000万ドルの投資を行う予定です。また、われわれのホールディングスは3ヶ月後に香港にも進出します。」
■技術的な拠点を移動する
ニヤゾフ会長は、技術的な拠点とサーバーが以前はインドのハイデラバードであったことに言及し、さらに以下のように話した:「一部はアルマアタとイスタンブルにありました。これらをカリフォルニアのシリコンバレーへ移します。現在、60人の従業員がいます。様々な国の出身で、数十種類の言語を話すスタッフが働いています。トルコでは外国人労働者を雇用することに関して、厳しい規則があります。一人の外国人を雇用するには、5人のトルコ人を雇用することが義務付けられています。しかしこれは、情報テクノロジー分野にとっては非常に高い数字です。」
■ソーシャルネットワークに対するイスラム的な代替物
サラームワールドは、狙いの大部分をイスラム的価値に関心を持つ若者世代や、現代のムスリム家族、そして若者たちとしている。サラームワールドは既存のソーシャルネットワークに対し、イスラム的な代替物として自身を位置付けている。ムスリム社会内でのコミュニケーション・プラットフォームとなることを目的とする。このプロジェクトは、12カ国から選ばれた国際的なプロフェッショナルチームによって実現される。執行部には、17カ国からメンバーが集められた。アラブの春におけるフェイスブックやツイッターといったソーシャルネットワークの影響力が、サラームワールド・プロジェクトの開発に影響を与えた。
■ラマザン月にはサービスを開始する
現在、開発段階にあるサラームワールドだが、4月に試験運用を行い、7月つまりラマザン月には実用を開始すると発表したアブドゥル・ワフド・ニヤゾフ会長は、サイトに関して以下のように話した:「サラームワールドは、有害な内容を含まないイスラム的な情報テクノロジーのプロジェクトです。ハラール・インターネットサービスに基づいて設立されています。有害且つハラールでない写真や動画、文章とそれに類する内容は、プログラムやユーザーからのクレームなどが考慮されフィルタリングされます。サイトの目的はムスリムを世界に、そして世界をムスリムに向けてオープンにすることです。まずは8言語にて、その後はクルド語も含む15言語にてサービスを行います。外国語の問題を解決するプログラムも開発しました。このようにして、トルコ人とフランス人が共通の言語を知らずともコメントを書き合い、理解し合うことができます。また、ハラール製品の市場拡大にも貢献したいと考えています。(このため)同時に、イスラム・ディナール(金貨)に基づくオンラインのハラールショッピング・プラットフォームも開設されます。」
■第1回グローバルサミットをイスタンブルにて開催する
サラームワールドは、第1回グローバルサミットをイスタンブルにて、2月13日から15日にかけて開催する。サミットに参加する主要な宗教家や政治家らは、イスラム世界においてムスリムたちの利益を高める情報テクノロジーの適用、そして意見を共有するプラットフォームの形成を議論する。このサミットには、30カ国を超える国々から社会や共同体のリーダー、著名人らの参加が期待されている。参加者らの中には、ノーベル平和賞を受賞したイエメンの新聞記者であり(人権)活動家のタワックル・カルマン氏、著名な作曲家であり歌手でもあるサーミ・ユスフ氏、テレビレポーターのリズワン・ハン氏、ボスニア・ヘルツェゴビナのムスタファ・チェリチ宗務長官、そしてトルコからはアフメト・オズハン氏といった著名人らが含まれる。
■ムスリムのインターネットユーザーは3億人いる
サラームワールドのコミュニケーションディレクターであるヤヴズ・セリム・クルト氏は、世界の20億人のインターネットユーザーの内、3億人がムスリム国家で暮らしていると述べ、以下のことを話した:
・サイトではオンラインのイスラム図書館や、オンラインのファトワとコンサルタントが設けられる。
・オンラインの都市ガイドにてハラールのレストランを検索できる。
・フェイスブックもフィルタリングされる。サラームワールドによる情報の選別はフェイスブックよりも若干厳しくなる。
・スカーフを着用していない女性の写真は公開されるが、ビキニ姿の女性写真は公開されない。
・ユーザー間のチャットやコメントにおいても、ハラール基準を考慮する。
・サラームワールドによって知り合い、親睦を深めた人々に対しサラームワールドは干渉しない。
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( 翻訳者:指宿美穂 )
( 記事ID:25530 )