ギュル大統領、MIT法改正を速攻承認
2012年02月18日付 Radikal 紙

国家諜報機構(MİT)職員の捜査に首相許可が必要となる法案が昨日(17日)議会を通過し、大統領府に送られた。ギュル大統領もこの法案を12時間で承認。

アブドゥッラー・ギュル大統領は、クルディスタン社会連合(KCK)捜査の一環で、供述を要請されたMİT事務次官ハーカン・フィダン氏と、かつて同職にあったエムレ・タネル氏、そして事務次官補のアフェト・ギュネシュ氏を庇護する法案改正を記録的な早さで承認した。改正法案は、議会承認後、約 12.5時間でギュル大統領の承認を得て、フィダン事務次官の強制招集をも退けた。

KCK捜査を続けるイスタンブル特別検察のサドレッティン・サルカヤ検察官が2月7日にMİT職員らを供述を要請したことで、この10日間、「政治的危機」が生じていた。サルカヤ検察官はMİT職員から供述を得る方向性を曲げなかったため、イスタンブル共和国主席検察局により職を解かれている。また同氏について、その後、裁判官検察官高等委員会(HSYK)から、捜査関係のことが報道されたことを理由に、「捜査機密違反」の罪で取り調べが始まったという。

■昨日議会を通過

この展開を受け、当時アンカラは非常に混乱を極め、検察の試みを退けようと公正発展党(AKP)からMİT法案の改正をめざす法案が準備されていた。法案は議会初となる司法委員会での議論を受け、一昨日にトルコ大国民議会で討議。討議では長時間議論が飛び交い、一昨晩から昨日未明までつづいた。AKP議員提出の提案により、法案は抗議を受けた箇所が重点的に修正され、法案当初の「特別任務」という文言が「明確な任務」という表現に置き換えられ、保護対象が「公務に就く者である」ことが付け加えられた。

■速攻承認

改正案は昨日午前6時ごろ国会で承認され、大統領府へ送られた。その後、昨夜の大統領府の会見で、ギュル大統領がMIT法案の改正を承認したことが伝えられた。現在供述の要請を受けているハカン・フィダン事務次官、目下「逮捕」の決定が下っているエムレ・タネル氏、アフェト・ギュネシュ氏ら三人が「じっと」待ち望んでいた法案改正を、ギュル大統領が約12.5時間の「マッハで」承認したかたちだ。

今回のトピックである改正に対する大統領の「速攻承認」は、これまでのどの法案も及ばぬ速度でなされたと言える。大統領は、今回、承認スピードで自身の記 録も打ち破ったのだ。また、法案承認により、MIT職員らの「供述要請」の悪夢も霧消した。改正案は18日付けの官報に掲載後効力をもち、それに従い、フィダン事務次官をはじめ、MIT職員に対する検察による供述への強制が、首相許可なしに行えないことが決定的となる。

■CHPは裁判も視野に

共和人民党(CHP)のケマル・クルチダル党首はMIT法案の改正が大統領府の承認を得たことを受け、憲法裁判所に持ち込む予定を明らかにした。

■議会では緊張と疲労

法案改正審議は夜を徹して行われ、非常に緊張を強いられるものだった。CHP党員とAKP党員がそれぞれにやりあう様子もみられたという。 民族主義者行動党(MHP)ウスパルタ選出のある議員は、法案を考案したAKP同選挙区選出のレジェップ・オゼル議員に対して、「私はネヴザト・コルクマズ と言うが、これからもきみの票田を狭めるだろうね」と叫び、AKPオウズ・カーン・キョクサル議員とムアンメル・ギュレル議員が居眠りする場面もみられ た。

■フィダン元事務次官、先週弁明していた

アンカラ特別検察のヒュセイン・ギョルシェン検察官は、KCK捜査の一環で、通達よる供述要請が待たれていたハーカン・フィダン事務次官について、2月11日に 彼が弁明していたことを明らかにした。ギョルシェン検察官は、昨日の会見で、イスタンブル特別検察から供述要請通達を受け取った後に、フィダン事務次官と特別検察との間で電話でのやりとりがあったことも明かした。「彼は弁明し、我々も、それが適切であると判断しました」とした。どのような弁明かは洩らさなかったものの、通達そのものは現時点でアンカラにあることを付け加えた。

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( 翻訳者:原田星来 )
( 記事ID:25607 )