リビア首相、来土、「トルコを手本と考えている」
2012年02月25日付 Hurriyet 紙

レジェップ・タイイプ・エルドアン首相とリビアのアブドゥルラヒム・アル・キーブ首相(暫定首相)がイスタンブルで会談を行った。アル・キーブ首相は記者会見で、「私たちはトルコを手本と考えています」と述べた。

ベシクタシュの首相官邸にて実現した両国首相会談はおよそ1時間半におよび、報道陣には非公開とされた。両首相は、各種委員会への挨拶後、共同記者会見を開催。

この記者会見で、エルドアン首相は、アル・キーブ首相が2011年10月31日の首相就任以来、初の相互訪問をトルコとすると約束していたことを強調し、リビア国民がトルコに下した評価の証であると話した。

■「新しいリビア」

エルドアン首相は、「新しいリビア」への訪問の際に、闘いをおこなったリビア国民を評価し、今回もまたアル・キーブ首相の訪問を機に敬意を表し、次のように続けた。

「私にとっては兄弟、あるいは相方のようにすら感じているアル・キーブ氏が首相を務めるリビア政府は、ムスタファ・アブドルジャリル国民評議会議長とともに、平和で、安定的で、憲法に基づく民主主義的な組織に向けて、誠実に努力しています。ちょうど今日から4ヵ月後、つまり2012年6月にリビアでは国民議会の選挙が予定されています。リビアでの目下のトピックであるこの選挙の際に、公正に、そして透明性をもって行われることを心よりお 祈り申し上げます。」

エルドアン首相は、選挙期間もトルコがリビア国民への援助を継続する予定であると明かし、国の安全保障と、そうした機関設立のため、出来る限りのことを行う、と明らかにした。

■「チャンスと人命を交換しない」

また、エルドアン首相は、(内戦状態となった際に)トルコに移送されたリビア人傷病者について、受け入れた民間医療機関が患者らに代金を請求したことに関して、アル・キーブ首相は快く思っていないようだ、と話し、次のように続けた。

「一部民間医療機関については、現在のところ我々もそうした機関の動向を見守っています。まったく異なった形態で代金が請求された旨、耳にしています。 我々もそれについて文書で回答を求めましたし、調査する予定です。必要なことをやるだけです。私にはこうした行為は人命を商機としているように感じられますが。彼らの行為について悪く思わないでください。これはわが国民にふさわしい振る舞いではありえませんし、私たちの政権下でこのような行為ができるはずがありません。必要な措置をとり、原因を明らかにしたいと思います。」

エルドアン首相は、ミスラタに理学療法医療機関を建設するため用地の手配を進めていること、またトルコ企業22社が無償で引き受けた公共施設の建物についても短期間で完成させる予定であると話した。

さらに、トルコ航空は現在トリポリへ11便、ベンガジへ10便、ミスラタへ8便の合計28便が就航しているが、この数を43本に増やすため、新たに提言をおこなったことも付け加えた。

■姉妹都市協定

エルドアン首相は、両国が観光、輸送、インフラの分野でも協力できる可能性があると評価し、地方自治体のワークショップが行われ姉妹都市協定も強化できるだろうと報道陣に明かした。

また、続けて「保健と農業の分野でも協力をはかり、同時にトップレベルの戦略的な協力協定を結ぶことで、新たな行程をスタートさせたいと思っています」と話した。

■「エルドアンお兄さん」

アル・キーブ首相は、自身を「兄弟」とよぶエルドアン首相に対し、今回の訪土招待への感謝を述べ、またトルコ政府、トルコ国民に対しても、2月17日革命時の援助に対しての感謝を語った。

また、アル・キーブ首相は、リビア-トルコ間の歴史や社会的関係性は、多くのルーツを共有していると強調し、「歴史のページを開いてみれば、リビアの国土 で多くのトルコ人が戦死し、またトルコの国土でもリビア人が戦死しているのをご覧になるでしょう。私たちの国に暮らす多くの家庭がトルコ系ですし、トルコにおいてもリビア系の家庭があるのです」と述べた。

■「トルコを手本に考えています」

アル・キーブ首相は、「私たちはトルコをお手本として考えています」と語った。また、両国の関係を単なる貿易や建設の強化に留めておきたくはない、真に戦略的な協力体制の実現をめざしている、とも付け加えた。

エルドアン首相に対しては、二重課税問題にはじまり、観光問題、安全保障問題、さらに警察組織の刷新や、福祉に関するさまざまな問題まで、認識を広げていると語った。リビア人の成績優秀者に、トルコの高等教育機関での教育機会の割り当てを希望していることも明らかにした。

エルドアン首相を兄弟のように思っているとするリビア首相は、発言を次のように締めくくった。

「今、私が何を思っているかというと、政治的な交渉をおこなっているという感覚ではなく、長年見知った近しい友人と話しているような感じです。私たちの切っても切れない縁ですね。両国には共通の文化があります。私は、自分に寄せられた今回のもてなしについて、みなさんに感謝をしています。でも驚く様なことで はありません。トルコの皆さんだから、予想できたことですから。」

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( 翻訳者:原田星来 )
( 記事ID:25678 )