社説:チュニジアでのシリア友好国会議でのシリア反体制派の失望
2012年02月24日付 al-Quds al-Arabi 紙


■社説:チュニジアでのシリア反政府勢力の失望

2012年02月24日『クドゥス・アラビー』

現在チュニジアで開催中の「シリアの友」会議の活動は続いている。しかし、そこでこれまでに明らかにされたことは、この会議に参加しているシリアの反体制派が考えていたレベルの希望に呼応しない様々な立場である。反体制派のシリア国民会議のブルハーン・ガリユーン議長はシリアの危機にどう対処するかに関する談話を通じて、自身の失望を表明した。

反体制派は、ヒムスやその他の町を集中的にシリア体制側の軍が攻撃しているのを終わらせるために、できるだけ早期の国際的な軍事介入を望んでいる。シリア体制側の軍は、ヒムス等において集中的な攻撃により、インティファーダや自由シリア軍と結託した抵抗運動の撲滅を目論んでいる。しかし、フランスのアラン・ジュペ外相は、この考えや、惨劇の及んでいる地域に薬や食料を届ける安全な人道的回廊の創設についても、熱心でない。

一部の国々は、国際的アラブ軍のシリア派遣を、シリアでリビアのシナリオを実践させようとして提案した。しかし、この要求には、安保理での国際的決議が必要である。これは、ロシアと中国の反対がある状況では不可能な決議である。両国がこの会議への参加要請を拒否したのは、両国ともに、この会議で発せられる決議から遠ざかり、両国のシリア政権支持の立場を強調するためにも、不思議ではなかった。

サウジアラビアのサウード・アル=ファイサル外相は、シリア政権が実践する残忍な治安維持策に対する自己防衛と市民保護の名目で、反体制派の武装化を要求したことにより、出席者のみならず出席してない人をも、驚かせた。我々が、「出席者を驚かせた」というのは、この発言について、サウジアラビアは、完全にその重きを反シリア政権、インティファーダ側に置くことを決めたと我々は考えるからである。このことは、シリア危機における大きな進展を意味するかもしれない。そして、抵抗運動を軍事化の方向に押しやり、あるいはシリアを内戦へと向かわせるかもしれない。

サウード・アル=ファイサル外相は、このような声明により、現地で目下起きている、シリア自由軍のような体制から離反した軍隊が、武器を密輸していることに対し、公式の立場を与えているのである。シリア国境を越えて密輸が集中的に行われる流入スポットや通路が様々に存在する。とりわけ、レバノンやイラクであるが、おそらく最大の流入先はヨルダン国境からである。

この武器の密輸よりもおそらく、深刻で、危険なのは、サラフィー主義の義勇兵の大群が侵入していることであろう。特に、イラクからのシリア政権と戦い、最近ではアレッポや、その前にはダマスカスで起きたような、軍や治安機関に対し自爆作戦を実行している部隊や集団に加わっている者たちのことである。

とりわけアラブ湾岸諸国と欧米諸国との立場の違いについて我々が検証するとき、前者は政権を早く疲弊させるためシリアへの軍や武器・義勇兵の派遣に積極的であり、後者は内戦の勃発を恐れて、警告という行き方を採用する、ということが明らかになる。我々は、チュニジアでの「シリアの友」会議が、一部ではすでに激動が勃発していることを知るとは思わないし、この日の最後にもたらされる結果を予測することもできないとみている。おそらく、チュニジアの会議は、外国の介入に向かうにせよ、反体制派を武装化させるにせよ、参加諸国の立場を知る第一段階の予備調査となるだろう。そして、イスタンブールの会議が開かれ、それが、この悪化する危機に対する、統一された立場が結晶化される前に、大方の立場を研究し、ふるいにかける第二段階となるであろう。

「チュニジアは反体制派の武装化に反対している。」とラフィーク・アブドゥッサラーム同国外相は表明した。これは、アラブ地域の制御を困難にするこの措置の危険性について当該地域の大勢の懸念を反映している。彼らは、[反体制派の]武装化に反対している。彼らは、シリアがイラクのごとき例へと引きずられ、宗派的内戦へと沈み込むのを見たいと思っていない。その内戦は数千人、いや、数万人の罪のない人の命を犠牲にするものである。

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( 翻訳者:松尾愛 )
( 記事ID:25682 )