リビア:分裂・連邦制への動き
2012年03月07日付 al-Hayat 紙
「バルカ地区」首班となったアッ=サヌースィー氏
「バルカ地区」首班となったアッ=サヌースィー氏

■「バルカ地区」での「自治」。首班はアッ=サヌースィー国王の父方いとこ。

2012年3月7日水曜日 『アル=ハヤート』

【ベンガジ、ロンドン:本紙、AP】

 部族の指導者と軍事指揮官らは、リビア東部の石油の山地で一種の自治を享受する地域の設置を宣言した。これは一方的な措置であり、この宣言の反対者たちが、ムアンマル・アル=カッザーフィー体制の放逐から6カ月を経たリビアが分裂する端緒となると懸念している。

 東部地区の主要部族、民兵指揮官、政治家は、ベンガジで数千名が参加した会議の最終声明で、彼らの執った措置はリビアの分割を目指すものではなく、彼らの地域が統一リビアの一部となることを欲した措置であると述べた。

 会議参加者らは最終声明で、国民的な連邦制は、イスラーム統治・憲政的・文民統治の国家の下での統一リビアの形態として諸地域を選択するものであると述べた。そして、移行国民評議会については、評議会は国の統一の象徴であり、国際場裏での正当な代表であると述べた。なお、同会議は、アル=クワイフィーヤ地区にある軍事評議会建物で開催された。また、同声明は、1951年に公布された独立時の憲法を「現在のリビアの状況に沿って」修正したものを出発点とすることを決定した。声明は、1963年に行われた当該憲法改正の正当性を認めないことを強調した。このような主張により、会議参加者らは1951年から1963年まで続いた王政の体制の復活を望んでいることを表明した。王政体制では、リビアは西のトリポリ地区、南西のフェッザーン地区、東のバルカ地区の3地区に分割されており、この分割体制は1963年に廃止された。

 昨日(6日)にベンガジで採択されたこの宣言は、移行国民評議会に対し既成事実として連邦制を押しつける試みである。会議は、移行国民評議会が発表した憲法宣言を拒否したが、憲法宣言は(制憲議会で)西部に102議席、東部に60議席を割り当てている。リビア東部の住民は、これを彼らを周縁化する政策の継続とみなしている。

 ベンガジでの会議は、数週間のうちに東部でバルカの統治を担当する評議会の選挙が実施されるであろうと述べた。また、同会議は、「バルカ地区」は独自の議会・警察・裁判所を持ち、首都をベンガジにすると発表した。これは、東部のことを東部自身で運営するためである。この計画によると、外交政策、国軍、石油資源についての政策は、トリポリの中央政府の手に残される。ちなみに、バルカ地区はリビアの面積の約半分を占め、リビア東部から、東はエジプト、南はチャドとスーダンとの国境までの地域である。

(後略)

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( 翻訳者:高岡豊 )
( 記事ID:25750 )