1年ぶり釈放の新聞記者、獄中の体験を語る
2012年03月14日付 Radikal 紙

妻ヴェジデ・シェネルと共に生放送に出演した新聞記者ネディム・シェネル氏は、シリヴリ刑務所での体験を語るとき、思わず涙をこぼした。

オダTV訴訟の一環で376日間拘留された後釈放された新聞記者のネディム・シェネル氏は、妻のヴェジデ・シェネルと共にCNNトルコでアイシェヌル・アルスランが司会を務める「メディア地区」という番組に出演した。シェネル夫妻は刑務所での体験を事細かに説明した。時折涙をこらえ切れなくなりながらもネディム・シェネルと妻のヴェジデ・シェネルは次のように語った。

ヴェジデ・シェネル「拘留前、私たち2人が一緒にいるところを見られないようにしました。ネディメを支持してくれた皆さんに感謝しています。体調が悪かっ たため彼が拘留されたとき、支えてあげることができませんでした。ヴァタン通り(イスタンブル警察)に行くことができませんでした。彼が自分の職業をしっかりと全うしたことに、とても感謝しています。」

ネディム・シェネル「この状況はトルコに全く似つかわしくない。裁判所は皆を喜ばせ良心を安堵させる決定を下しました。他の裁判でもこれは可能なはずです。私たちは逃亡と証拠隠滅の疑いで72時間前まで拘留されていました。ご覧の通り、逃げるどころかいつも皆さんの前にいます。(エルゲネコン捜査の容疑者として収監中の)トゥンジャイ・オズカンの娘を考えてみてください。当時16歳だった彼女は今19歳、娘のナズルジャンは成長していないのに、世間の良心の傷は大きくなっています。最も無防備なのは私たち新聞記者です。クルディスタン社会連合トルコ議会(KCK)関連でも新聞記者が逮捕され、彼らの経済状況は非常に悪いのです。拘留とは、拘留さ れた者だけでなくその子どもたちや家族に対する暴力でもあります。昨日ビュレント・アルンチ、アフメト・ネジデト・セゼル、ケマル・クルチダルオール、オクタイ・ヴラルから電話がありました。ビュレント・アルンチは電話で悲しみの意を私に伝えました。私はビュレント・アルンチの誠実さを信じています。(彼のように)政府のメンバーでさえ私がエルゲネコンの一員であることを信じていないのなら、私たちをエルゲネコンのメンバーであるとした者たちは今どう答えるのでしょうか。 父親の罪を子どもたちに被せないでほしい。地震があったとき私たちも揺れましたが、思い浮かんだのは家族のことです。娘を学校に連れて行くのは私の仕事でした。逮 捕された日、娘を学校に送り届けているところでした。CNNトルコのラジオで家宅捜索が行われているのを聞き、すぐに家へと走り、逃げるなんて考えず、そ れより警察がドアを壊したのだろうかと考えていました。

ヴェジデ・シェネル「娘は私に、自分の父親と母親がテロリストなのかと訊いてきました。とても聡明な子なのです。最初に捕まったとき、お父さんは警察に授 業をしに行ったのだと言いました。しかし2日後学校で友達が新聞で私たち家族を見たと言ったらしいのです。家に帰ってきて、お母さん私のことを騙さないでと言 いました。私たち母娘は助け合いながら今日までやってきました。私は決してテロリスト側にはつきません。」

ネディム・シェネル「多くの支持が私たち2人のために行われていることを恥ずかしく思いました。はっきりいうと、あれほど多くの人が支援してくれたのです。しかしながら支持は次の点において役に立ったと思います。表現の自由はさらに話し合われるようになったという点です。妻が捕まるのではという恐怖の中で何度眠りについたことでしょう。妻が捕まれば娘がまったく1人になると思うととても怖かった。シリヴリでは人間らしいものは何一つありません。全てが人間を腐敗させるた め造られたようでした。」

■「娘の宿題まで見られた」

ネディム・セゼル「ザマン紙、アクション(雑誌)を読めばギュレン教団の役割を容易に理解することができます。2月28日の過程で検察はメヴレ・カヴァクチュの家にすら捜査できなかったのに、私たちの家の家宅捜査では娘の宿題までも見たのです。ザマン、サマンヨル、トルコ公営放送局(TRT)は私たち をテロリストに仕立て上げようとしました。話をでっち上げてほしくない、何十億も稼ぎレジダンスに住んでいるんでしょ、今度シリヴリへ来て入り口から中へ 入ってみればよい。そこでの食事を食べてみてください。(拘留中の)ミュイェッセル・ユルドゥズは刑務所で別の痛みに苦しんでいるのです。彼女は2階建ての場所に1人でいます。娘と刑務所に行った際に、娘は特別にカラフルな服を着ました。着替えて刑務所に行くと、娘のスカートについている2つの金属製のボタンが原因でスカートを脱がされました。シリヴリは英雄になる場所ではありません。そこでは人は腐敗するのです。」

■セーターを脱がせ…

ネディム・シェネル「(先月健康上の理由で釈放された)ドアン・ユルダクルの妻が身体検査を通るとき、X線装置が鳴るのを防ぐためブラジャーを外しました。しかし、装置は鳴りました。今度はセーターを脱ぎ、「ほら、何もありません」と言ったのです。訴訟が取り下げられたからといって、失われた日々は誰が取り返してくれるのでしょう?」

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( 翻訳者:釘田遼香 )
( 記事ID:25805 )