CHPの教育システム対案は、1+8+4制
2012年03月15日付 Radikal 紙

共和人民党の科学・実戦・文化プラットフォームは、AKPの「義務教育12年化提案」に対する見解を発表し、独自の提案を行った。共和人民党(CHP)は1+8+4制のモデルを提案している。

このレポートでは、与党の提案する教育システムが、教育の機会均等を無視し、階層間の差異を拡大させ、貧困家庭の困窮をさらに増すものだと主張されている。

レポートは「教育システム論争」と題され、共和人民党の提案も盛り込まれている。共和人民党が「トルコが成功のため」に提案する教育改革提案の一部は次のとおりである。

「憲法上の権利である無償教育の実現のため、寄付制度を廃止する。二部制教育をやめ、全ての学校を『全日制』とする。最低限学習レベルに未到達の子供の割合が15%以下になることを目標とする。教師と学校組織は、世界の状況の変化や技術の発展に適応できるよう、その質を高めていかねばならない。大人数の生徒で実施されている『合同クラス』は廃止される。学校間のインフラの格差は縮められる。インフラの整備と同時に、子供たちが多彩な成長をできるよう、遊戯・スポーツ施設、校庭、教室設備の整備、文化的行事の発展が重視される。こうした考えに基づき、今日提案されている変更をおこなう前に、可能な限り広範な人々を議論に加えて、国内教育ワークショップを開催する。」

■1+8+4モデル

共和人民党が、「教育で質の向上と不均衡の是正」を目的に作成したレポートでは、「この目標のために提案される教育モデルは1年間の就学前教育、8年間の基本教育、職業教育をも含む4年間の高等学校レベルの教育、つまり1+8+4モデルである」とされている。

共和人民党は、このレポートの中で、与党が提案する教育システムが教育の機会均等を奪い、階層差を深め、貧困家庭の更なる貧困化を招くとし、「共和人民党は、民主主義や子供たちの将来が奪われることも許さない。このための戦いを、民主的かつ合法的な手法で続ける」と述べた。

■センジェル・アヤタ副党首の発表

共和人民党のセンジェル・アヤタ副党首は、書面による発表で、科学・実践・文化プラットフォームによって準備された「政治覚書」が現在中心的な政治課題となっている教育問題を扱っていると述べた。

アヤタ副党首は、この件に関して二つのレポートが作成されたとし、「このうちの一つ目は、与党の国会議員らにより大国民議会議長府に提出された法案の中身と、公正発展党が法案の議会通過のためにとっている手法を、詳細かつ批判的に検討する。二つ目のレポートでは、トルコと世界が直面する教育面での重要な発展に照らし、共和人民党の意見と提案を明らかにするものである」と述べた。

■「4+4制の罠」

アヤタ副党首は、作業を行うにあたり、専門家の意見とならび、トルコ、そして世界の重要なシンクタンク、国際組織、関係する公的機関により準備された報告書を利用したとした。

アヤタ副党首によって発表され、「公正発展党4+4教育の罠」と名称をつけた第一のレポートでは、次のような表現が用いられている。

「公正発展党が実現をめざしている変更は、一見すると12年間の義務教育を求めているように見える。しかし、実際に作られた法案では12年間義務教育の施行開始を決める権限を閣議に託し、その実施の延期を可能にした。これは、今回の教育制度変更の真の目的が、義務教育期間の延長ではなく、現行の8年間の初等義務教育を分断しようとするものだとの見方を裏付けるものである。」

「現行システムの影響分析も行われてはいない。継続的な8年間の教育システムの明確な欠点は証明されていない。逆に、このシステムにより就学率は増加した。もちろん、この制度の運用に起因する問題点は解消されねばならず、一環教育の質的改善は図られなくてならない。公正発展党が提案する法案はトルコの教育システムを、より高質で公平なものにするという目的から遠ざけるものである。恒常的な不満、過去への感情的な復讐感情に依拠し、教育システムを新しいカオスへと導く提案である。与党に対し、教育システムの基本的問題に関し何一つ解決をもたらさず、取り返しのつかない多くの問題を生み出しうるこの提案の撤回を求める。」

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( 翻訳者:畔上曜子 )
( 記事ID:25813 )