アナン特使を支援するための議長声明をめぐり安保理では難しい議論。ロシアは警告の形をとることを拒否。
2012年03月21日付 al-Watan 紙
2012年03月21日
アナン特使を支援するための議長声明をめぐり安保理では難しい議論。ロシアは警告の形をとることを拒否。
■ロシアは警告の形をとることを拒否
■自国の軍事協定に責任を負うと明言
■アナン特使を支援するための議長声明をめぐり安保理では難しい議論
2012年03月21日『アル=ワタン』
外交官は以下のように語った。「安保理の15か国はフランスの提出した議長声明草案をめぐり、困難な議論に入った。議長声明はシリアへのコフィー・アナン国連特使のイニシアチブを支援するためのもので、特にロシアがフランスの提案した文言に留保を表明したことを受けたものである。」
安保理のメンバーは、専門家レベルで昨日[20日]午前、大使らに手渡す前に4時間、フランスの声明草案について議論した。
フランスのジェラール・アロー国連大使は、安保理の議場に入る際に新聞記者に応えて、「依然として、議論中の基本的な政治的問題がある。我々は解決の可能性があるかどうかを考える予定だ。」と語った。インドのハルディープ・シン・プーリー国連大使は、「アプローチの違いについて、我々は乗り越えなければならない。」と述べたが、詳細には立ち入らなかった。
一方、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は、シリア政権に対する『警告の形』をとる議長声明への拒絶を表明した。また、シリアに対する自国の立場にいかなる変化も否定した。
議長声明では、シリアのバッシャール・アル=アサド大統領と、反政府勢力に対し、アナン特使と共に、アナン特使がダマスカスでの会談の中で提案した6項目について、即時・完全な実行に向けて誠実に取り組むことを求めている。その中には、暴力行為の停止、段階的な戦闘の終止、また人道的支援の提供と政治対話の実行が含まれる。
関連する事柄として、シリア国営通信(SANA)の報道によるロシアのニコライ・マカロフ連邦軍参謀総長の発言を引用すると、「ロシアがシリアと調印した協定において規定された責任を遂行する。とりわけ、武器の供給に関し、シリアに対するいかなる制裁も拒否していることから、継続する予定である。」と明言したという。
また、ロシアのアナトーリー・アントワノフ国防副大臣は、現在シリアにはロシア軍は駐留していないと述べた。そういった報道について、同副大臣は、敵意あるねつ造であり、シリアに対するねつ造であると述べた。
ヨーロッパはというと、高官が語ったところによると、昨日[20日]、EUは対象を限定した新たなシリアへの制裁を準備しているという。また、この新たな一連の制裁について議論することになっており、 [この議論は]、おそらく木曜日[22日]、金曜日[23日]のEU外相会合次第であるという。
また、EUでは、ビザ発給や資産凍結の対象となっている約150の個人や組織のリストに12名が追加されるとみられる。
EUの外相らは、ダマスカスにおける外交官の駐在についても話し合うとみられる。ダマスカスでは6か国が既に大使館を閉鎖している。同高官は、「我々は協調して前向きに対処すると既に決めた。しかし、各々の国は、独自の判断によって決定する。」と述べた。
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( 翻訳者:松尾愛 )
( 記事ID:25874 )