アルジェリア、マリでのクーデーターを受け隣接する国境閉鎖・両国間の協力凍結
2012年03月23日付 al-Hayat 紙


アルジェリア、マリでのクーデターを受け隣接する国境閉鎖・両国間の協力凍結

■アルジェリア、マリでのクーデターを受け国境閉鎖
■両国間の協力凍結

2012年3月23日『アル=ハヤート』

【アルジェリア:アーティフ・カダーディラ】

アルジェリアは、マリとの軍事協力を凍結した。また、マリ北部のダメージに苦しむ地域に数日前から運ばれていた人道支援物資[の輸送を]中断した。アルジェリア外務省は危機対応部局を組織し、即時、陸路の通関地を閉鎖することを決めた。また、軍の指導部に、マリのトゥマニ・トゥーレ大統領政権に対するクーデター後の状況予測を依頼した。

アルジェリアの情報筋が、本紙に語ったところによると、アルジェリア政府は、マリとのあらゆる種類の軍事、治安関係協力を中断したが、これは軍が国の規律の掌握を強化した数時間後のことであった。また、数日前に出発した人道支援物資を輸送するフライトを凍結したが、この支援は数週間継続する予定であったものである。

アルジェリア政府は、アマドゥ・トゥマニ・トゥーレ政権に対する軍事クーデター勃発後すぐに、国防省に対し、国境地域の安全保障に対する即時計画策定を求めた。また、同国政府は、マリの動向についてフォローアップする部局を形成した。更に、同国政府は、武力行使と「憲法に矛盾する改革」を非難した。これは、アルジェリアが、アフリカのクーデターに対しとってきた立場である。最後におきたクーデターとしては、モーリタニア大統領ムハンマド・ウルド・アブドゥルアジーズによって彼の前任者であるムハンマド・ウルド・サイーディー・アル=シャイフに対して、2008年の夏に起こったものがある。また、2年前[2010年]には、ニジェールのママドゥ・タンジャ[当時の]大統領に対してクーデターが起きた。

アルジェリアは、マリにおける立憲体制復帰を強調した。同国外務省のアンマール・ビラーニー公式報道官は、昨日[22日]、「アルジェリアは、マリの状況を大きな関心をもって見守っていく。また、我々の原則的な姿勢をもってアフリカ連合の憲章の条項に従い、我々は、武力行使を非難し、憲法に矛盾する改革を激しく拒否する。」と述べた。

さらに、同広報官は、「我々は、マリ国内の全ての問題解決は、同国の法的機関の枠組みの中で、かつ、憲法を尊重した形でなされなければならない。」と述べた。また、「アルジェリアは、隣国マリの立憲体制復帰に厳密に固執することを主張する。」とも述べた。

マリのクーデターは、アルジェリアのマグリブ・アフリカ問題担当大臣を含むアフリカの大臣たちが、マリの首都バマコへ向けて出発してから数時間後に起こった。会議は、独立の旗印を掲げる「アズワード運動」を阻止する目的でアルジェリアの呼びかけで開催された。アルジェリアは、マリにおける全面戦争が勃発することや、アルジェリア領土の奥深くで、「イスラーム的マグリブのアル=カーイダ(AQIM)」が作戦を実行に移すかもしれないという、前例のない治安の喪失を恐れている。

軍事協力の凍結は、アフリカ・サハラ統一組織におけるマリのメンバーシップにまで及んでいる。同組織には、モーリタニアやニジェールも含まれている。観測筋は、アルジェリアに対して軍事クーデターの結果から来るより大きな衝撃が起こるとみている。これについては、アルジェリアにはリビアの東部政府との調整が可能な切り札はほとんどない。同様に、トゥーレ政権への無関心や齟齬に特徴づけられる時期に関係が戻るであろうとする期待のもとにクーデターは起こったが、これは「テロ」に関する問題へのトゥーレ政権の以前の姿勢、あるいは北部開発問題に対する指揮の仕方が原因であった。

軍事クーデターが完了した場合、アルジェリアは、隣国マリとの間で積み重ねてきた全ての条約を見直すよう求めている。隣国マリは、一方では、「テロ」活動の中軸の中でも最も重要なリンクで、他方では、戦闘における最も弱いリンクであるとみなされている。同様に、トゥーレ政権退陣とマリのスメイル・マイガ外相逮捕により、[アルジェリアの]タマンラセット州に拠点を置くサハラ諸国高等軍事委員会へのマリの参加が保証される。

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( 翻訳者:松尾愛 )
( 記事ID:25894 )