アタテュルク革命50年目の遺言、エヴレン元大統領が消した?―80年クーデター訴状
2012年03月26日付 Milliyet 紙

サジト・カヤス元検事は、アタテュルクが死後50年目に開示すべく残した遺言を第7代ケナン・エヴレン大統領(及びクーデター当時の参謀総長)がなきものにしたと主張した。 

80年クーデター関係者の訴状を作成したため解任されたサジト・カヤス元検事は、アタテュルクが死後50年目に開示すべく残した遺言をケナン・エヴレン元大統領がなきものにしたと主張した。同元検事は、エヴレン元大統領の起訴論争についても「クーデターを企てることが罪ならば、その実行はさらに重い罪である」と考えを述べた。

2000年、ケナン・エヴレン元大統領を起訴するため法務省に刑事告発を行い、訴状を作成したことを受け解任されたサジト・カヤス元検事は、4月4日に審理を受けるケナン・エヴレン元大統領及びシャヒーンカヤ元空軍大将が行った抗弁が法定妥当性を欠いていると主張した。カヤス元検事は、エヴレン元統領に対し衝撃的な発言を行い、アタテュルクが国民に宛てた遺言を開示すべきと強く主張した。同元検事は、アタテュルクが死後50年目に開示すべく国民に遺言を残したこと、88年に開示が必要だったにも関わらずエヴレン元大統領が妨害したと述べた。カヤス氏は、「エヴレン元大統領は遺言を隠した、消し去ったのだ。アタテュルクの死後50年目に開示されるべき遺言が、アンカラ第3治安判事裁判所に隠されてきている。エヴレン氏は、はじめ、遺言は存在しないと述べた。その後、(遺言の開示は)ナンセンスだと言った。さらにその後、遺言の公開は非常に危険だと述べた。(開示されるべき時から)24年が過ぎたがいまだに公開されていない。エヴレン元大統領は、アタテュルクに対して全く敬意を示していない。」と言い(遺言の開示を)求めた。

■罪は明白、刑罰が必要

エヴレン元大統領の弁護団は、クーデターは罪とならず、クーデターを企てることは罪となると弁護を行ったが、カヤス元検事は全く妥当性がないと述べ、「この弁護には法的正当性がない。弁護団は、犯した罪について憲法には相当する条項がないと言うのだ。憲法には全ての罰が記載されているわけではない。刑法が存在し、改正されているので(それで)十分である。別途、憲法に拠る必要はない。この罪にはこの罰を下すとは言えないのだ。そもそも80年クーデターの実行日に有効であった第765号トルコ刑法147条に照らし合わせれば、罪は明確であり、刑罰が必要となる」と述べた。

カヤス元検事は、4月4日に始まる審理を前に、イェニ・シャファク紙に見解を語った。「弁護側は、クーデターを企てることは罪で、その実行は罪ではないと言う。この論法は全く正しくない。クーデターを企てることが罪ならば、その実行はさらに重い罪である。つまり、殺人を企むことは罪であるが、実際に殺すことは罪とはならないということだが、このようなことがあっていいはずがない。この論法は馬鹿げている」と述べた。

■逮捕したうえで、裁判を受けさせるべきだ

カヤス元検事は、この問題に対する政治権力と裁判所のアプローチが適切でないとも述べた。実行に移されなかったエルゲネコン、バルヨズと言ったクーデター計画の首謀者が逮捕され裁判にかけられたことを強調し、「実行に移されなかったクーデターを企てた者が逮捕され裁判にかけられ、あるいは、クーデター構想段階でも逮捕され裁判にかけられる一方、明らかなクーデター実行犯達は、逮捕されることなく裁判を受けている。今後、エヴレン元大統領、シャヒーンカヤ元空軍大将も逮捕した上で、審理にかけねばならない。この裁判は最低5年を要する。刑罰を受けるにしても彼らの寿命は十分ではない。クーデターの審理を行っているが、元大統領であるエブレン氏の威光は未だ強い。専属のドライバーやボディガードがおり、審理期間中、こうした便宜をはく奪すべきである。エルディル大将が裁判にかけられた時はあらゆる便宜が奪われた。将校クラブへの出入りが禁じられ、その後降格し兵士となった。そのため、エヴレン元参謀総長の降格及び便宜の剝脱が必要である」と述べた。

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( 翻訳者:山根卓朗 )
( 記事ID:25921 )