国会本会議において、1万5千の受刑者の釈放を念頭に置く、「刑罰及び治安対策の施行に関する法と保護観察および支援センター並びに保護機関に関する法における変更に関する法案」が通過した。法案は記名投票形式で231名の議員が投票し、賛成229名、棄権2名で可決された。
法務大臣:刑務所を空にすることを目的としたものではない
議員の質問に対し法務大臣は、「本法案は、刑務所を空にする事を目的とした法律ではない。刑務所からの釈放はもたらされる一つの結果に過ぎない。約1万5千人の受刑者がこの法案の結果、保護観察をつけることを条件に、残っている服役期間を社会の中で償うという形をとることになる。しかしながら、これはトルコにおいて異なる形での刑の執行方法を広げるために、我々が行った一つの取り組みである。一時的な変更ではない。本法律は、現代的な刑の執行方法のうちの一つの基礎が築かれた」と述べた。
対象となるのは誰か
この法によりもたらされる変更は以下の通り:
開放型矯正施設で直近の6ヶ月を継続して過ごしたもの、少年院で刑期の1/5を既に終えたもの、条件付釈放まで一年もしくはそれ未満のもので、受刑態度が良好で本人の要求があった場合、刑期のうち条件付釈放までの残りの刑の日数が保護観察措置を適用する形で施行されるかどうか、刑執行機関により受刑者に関し準備される評価報告書が考慮されたうえで、執行裁判官によって判断されることになる。
開放型矯正施設に割り振られる条件を満たしているのに、自らの意思以外の理由で開放型矯正施設に収容されずに閉鎖型矯正施設に戻されたもので受刑態度が良好なものは、開放型矯正施設に振り分けられる条件を満たした日より少なくとも6か月経過しているなら、他の条件も満たしていることを前提に、この修正案の対象となる。
無給奉仕活動、プログラムへの参加
保護観察付釈放措置が適用される形で、刑が執行されることが決まった受刑者は、条件付き釈放の日まで、社会に奉仕する仕事に無給で従事すること、一定の住所及び地区において監察下に置かれること、行動範囲の制限、矯正プログラムへの参加といった義務のうち一つもしくはそれ以上に従うことが、「保護観察」監督局によって決められる。
0-6才の子供がいる受刑者、もしくは重病の受刑者
0-6才の子供がいて条件付き釈放まで二年以内の女性受刑者、患っている重病、障害ゆえにもしくは高齢ゆえに余命いくばくもないもの、あるいは条件付き釈放まで三年以内の受刑者が、他の条件を満たしている場合、前述の修正案の対象となる。重病者、障害者もしくは高齢者は、法医学会もしくは法務省が指名する総合病院の保健局により準備され、法医学会により承認される報告書により該当者として認定がなされる。
刑務所へ再収監を求める場合、閉鎖型矯正施設へおくられる
受刑者が矯正施設から出所後、保護観察局に三日以内に出頭せず、自身に課された義務、保護観察局が用意した保護および更正プログラム、さらには保護観察官の警告や提案および受刑者に関して準備された保護計画にどうしても従わず、矯正施設に戻ることを希望した場合、保護監察局の要請に従い、条件付き釈放の日までの残りの刑の執行のために、閉鎖型矯正施設に送られることが、執行裁判官により決められる。
執行裁判官により決定
受刑者に関して、起訴されている別の罪があり、刑法第100条に述べられている理由で拘留が決定されたばあい、また保護観察付釈放措置が適用される前に起訴され、刑の上限が7年以上の罪があり捜査或いは訴追が継続された場合、さらに保護観察付釈放が適用された後に起訴され、刑の下限が1年あるいはそれ以上の犯意ある罪があり捜査もしくは訴追が開始された場合、保護観察官の要請に基づき、執行裁判官により受刑者が閉鎖型矯正施設に送られることが決定される。受刑者に関し捜査の結果、訴追されず、もしくは訴追の結果無罪、あるいは処罰するに値せずとなり、訴えが取り下げられる決定が出された場合、受刑者の刑の執行に保護観察付釈放措置が適用され(保護観察付釈放措置)が継続されることが、執行裁判官により決定される。条件付き釈放まで1年以下のもの、開放型矯正施設にいるもの、閉鎖型矯正施設にいるものの開放型矯正施設に振り分けられる条件を満たしていて、受刑態度が良好なものは、要求すれば、条件付き釈放の日までの残りの刑の日数が、保護観察付釈放措置が適用される形で執行されるように決定が下される。条件付き釈放まで1年あり、開放型矯正施設にふり分けられる権利がある受刑者は、この執行方法が最大6か月適用される。
電子手錠で監視
容疑者、被告や受刑者を社会の中で監視するために、監視・保護のための電子機器を用いておこなわれる。
保護観察官、保護観察副官の任命
保護観察官に任命される為には、最低四年間の大学教育か高等専門学校、あるいはこれらに相当し高等教育機構により承認された海外の高等専門学校を卒業したものの中から、筆記および法務省による面接試験の結果に応じて、保護観察副官が任命される。「保護観察副官筆記及び面接試験」により保護観察副官が保護観察官に昇進し、保護観察官が保護観察副官へ降格することに関しては、内規にしたがう。
法務省の空席となっている職員のうち3490人分は、2012年の中央政府予算法の枠外で任命がなされる。本法律で職員がいなくなる保護観察および支援センター支部の支部長らは、他の手続きを必要とせずに、保護観察化副官に任命されたとみなされる。
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( 翻訳者:有田 潤 )
( 記事ID:25992 )