8歳の男の子を誘拐して身代金9千万トマーン〔約600万円〕を脅し取ろうと企てていた4人組の誘拐犯が、6時間に及ぶ警察のオペレーションの結果、逮捕された。男の子は無事解放された。
誘拐を計画した主犯格の人物は、誘拐の目的について、妻に支払う婚資金のお金を調達するためだった、と供述している。
本紙の取材によると、ファルヴァルディーン月15日〔4月3日〕夜、8歳の息子が誘拐されたとの通報をきっかけとして、テヘラン州ロバート・キャリーム刑事警察の捜査官らによって、事件の捜査が開始された。
家具店経営者を名乗る被害者の人物は、次のように述べた。「事件のあった日の午後、8歳になる息子がガルエミールにある〔サッカー〕クラブに行ったきり、帰ってきませんでした。帰宅があまりに遅いので、クラブの責任者に息子の行方を聞いてみました。ところが彼らは、息子はすでにクラブを後にしており、どこにいるのか分からない、と言うのです」。
男性はさらに、「〔クラブから〕自宅に帰る途中、見知らぬ男から私の携帯電話に連絡があり、『息子を誘拐した、返して欲しければ9千万トマーン用意しろ』と言ってきました」と述べた。
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捜査が続けられる中、誘拐犯から再び家族のもとに連絡があり、身代金の受け渡し場所について指定がなされた。誘拐犯は、金を用意しなければ男の子を殺すと脅迫してきたという。
これを知った捜査官らは、誘拐された男の子の家族が誘拐犯と落ち合う予定の場所に急行した。捜査官らは現場を包囲、男の子の家族のもとに近づこうとした若い男を逮捕した。
犯人の若い男はロバート・キャリーム刑事警察に連行され、取り調べの中で、3名の友人と共謀して子供を誘拐したことを自供、誘拐された子供がいる場所の住所を捜査官らに伝えた。
この情報を得た捜査官らは、市の南部にある誘拐犯らの隠れ家に急行、司法と連携して家に立ち入り捜査を行い、誘拐犯2名を逮捕した。しかし、誘拐された子供の行方は杳として知れなかった。
新たに逮捕された二人の男は刑事警察に連行され、そこで行われた取り調べの中で、誘拐を計画した主犯格の人物は別にもう一名おり、現在子供をロバート・キャリーム近郊の工業団地内の家具製造工場に監禁していることを供述した。
誘拐犯らからこの情報を得た捜査官らは上記の場所に急行、家具製造工場を包囲した。捜査官らは誘拐犯に警告を発し、子供を釈放して投降するよう求めた。しかし犯人はこれに従おうとしなかったため、ついに人質救出班は家具製造工場に突入、ファルヴァルディーン月16日〔4月4日〕の午前2時に誘拐を計画した主犯格の男を逮捕した。同時に工場内を捜索した結果、倉庫の中で手足を縛られた状態で監禁されていた8歳の男の子を発見し、救出した。8歳の男の子は家族のもとに渡され、誘拐事件を計画した主犯格の男は、捜査の継続のために、刑事警察に引き渡された。
誘拐事件のリーダー格の人物は供述の中で、「家具の製造・販売を営んでおり、被害者家族とはそのつながりで面識があった。しばらく前、〔工場が〕破産し、借金を負ってしまったために、妻から離縁を要求された。妻は婚資金の4500万トマーン〔約300万円〕の支払いを求めてきた」と述べた。
犯人の男はさらに、次のように語った。「婚資金を払う金など、私にはなかった。このままでは、〔結婚契約の不履行により〕刑務所に収監されてしまう可能性もあった。そこで、金銭的に悪くない状態にあった家具販売店の経営者の8歳になる息子を誘拐する計画を実行し、身代金をせしめることを決意した」。
男はその上で、「計画を3人の友人に打ち明けると、彼らも協力を約束してくれた。家具販売店経営者から9千万トマーンをせしめることができれば、そのうち半分は婚資金の支払いに充て、残りは仲間たちで分け合う予定だった」と語った。
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( 翻訳者:ペルシア語記事翻訳班 )
( 記事ID:26015 )