トルコ全体の失業率が9か月ぶりに2桁に増加した。
2011年12月期に9.8%であった失業率は、2012年1月期に0.4ポイント上がって10.2%に達した。失業率は昨年の同時期と比べると1.7ポイント減少した。
トルコ統計機構(TÜİK)のデータによると、失業者数は1月期、昨年の同時期より38万人減の266.4万人となった。しかし前の月と比べるとその数は8.8万人増加した。
■調整データは9%以下を示す
季節調整後の失業率は、2011年12月-2012年1月期において、前期と比べて0.3ポイント減少し8.9%に下がり、2005年をベースにしたデータ収集開始以降初めて9%を下回った。季節調整後の失業率について、引き続き改善が継続していると話すエコノミストらは、賃金によってインフレが誘発されるととは言い切れないが、データは中央銀行(MB)の(景気)安定政策の継続を裏付ける要素の一つになると話した。
季節間調整された1月の被雇用者数は、前の期と比べて16.6万人増加し、失業者数は7万人減少した。
■若年層の失業率18.4%
BGCパートナーズのエコノミスト、オズギュル・アルトゥー氏は「失業率の改善スピードを見ると1月に何らかの失速があったとは見られない。1月の失業率 のデータに中央銀行が驚くような変化はなかった。データはインフレに対する影響を抑えるために、中央銀行にさらなる安定政策の実施をを促しうるものだ」と話した。
1月期のデータが、労働力市場の改善が進んでいることを示していると話すJPモルガンの主任エコノミスト、ヤルクン・ジェベジ氏は「労働力市場の継続的な改善には、中央銀行の慎重な姿勢もあるだろうが、さらに他の要因も考えられる」と語った。
若年層における失業率は12-2月期に昨年の同時期と比べると22%から18.4%に下がった。1月期の被雇用者数は、昨年の同時期と比べて101.4万人多い2347.5万人に増加した。この間、第一次産業(農業)で働く人の数は1.5万人で、非第一次産業で仕事をしている人数は99.9万人に増加した。
■トルコの失業者数、266.4万人に増加(2011年1月→2012年1月:右上の図より)
一般人口 71,817,000人→73,174,000 人
15歳以上人口 53,051,000人→54,283,000人
労働人口 25,505,000人→26,139,000人
―うち被雇用者 22,461,000人→23,475,000人
―うち失業者 3,044,000 人→2,664,000人
総人口に占める
労働人口の割合 48.1%→48.2%
被雇用者の割合 42.3%→43.2%
失業率 11.9%→10.2%
―第一次産業以外の失業率 14.7%→12.4%
―若年層における失業率 22.0%→18.4%
非労働人口 27,546,000人→28,144,000人
■失業者の35%は期間限定の仕事に
失業者の31.5%は頻繁に「親類や友人の伝手で」仕事を探している。TÜİKのデータによると2012年1月期の失業者の90.7%(2,425,000人)が働いた経験を持つ。
働いた経験を持つ失業者の47.2%が「サービス業」、19.5%が「製造業」、21.7%が「建設業」、7.9%が「農業」の分野で働いた経験があり、3.7%は8年以上前に仕事を辞めている。
失業者の35.5%が期間限定の仕事に就き、契約終了に伴い仕事を辞めた人、14%が解雇された人、18%が自分の意思で仕事を辞めた人、6.4%が職場の閉鎖、或いは倒産で失業した人、7.8%が家庭の事情で仕事を辞めた人、9%が教育を受けている、あるいは卒業したばかりの人、9.2%がその他の理由で仕事をしていない人だということだ。
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( 翻訳者:池永大駿 )
( 記事ID:26102 )