シリア:軍事介入か、あるいは内戦か?
2012年04月19日付 al-Quds al-Arabi 紙
■シリア:軍事介入か、あるいは内戦か?
2012年4月19日『クドゥス・アラビー』
【社説:アブドゥルバッリ・アトゥワーン】
フランスの首都、パリで昨日(18日)「シリアの友」の集まる簡略な会議が開かれた。最も目立った参加者はアメリカ外相ヒラリー・クリントン、トルコ外相アフメット・ダーヴトオール、そのほか、ドイツ、サウジアラビア、カタールの外相、そして開催国フランス外相アラン・ジュペなどである。
この会議はこの種の会議としては、3回目で、表明された中で最も目立ったこの会議のアジェンダは、シリアへの国際特使コフィ・アナンの提案をいかに成功させ、この提案が失敗した場合にとるべき措置に関してである。
この非公開会議の内容や会議の参加者が決議した決定事項に関しての情報はほとんど漏れなかった。しかし、フランス外相ジュペが閉会に際して述べた声明は、いくつかの側面を明らかにしているかもしれない。特に、「アナンの提案の失敗は、内戦や地域戦争に発展するであろう。」という彼の表現はそれを示している。
アナンの提案の成功の機会は極めて限られているようである。それと言うのも、体制側と反体制側といったシリア国内に限らず、アメリカやイギリスやフランスと言った国外にも失敗を望んでいる多くのグループがあるからである。そして、成功は現体制とその権力の継続を認めることを意味し、求められる民主主義改革とその質をこの政権と交渉しなければならないからである。
国連事務総長のバン・キムンは昨日シリアでは戦闘の停止実施に関する現地での進展は実現されていないことを強調し、安保理は軍・民双方の300人からなる監視団の形成を急ぐことを採択することを予定していると述べた。そして、ダマスカスは空軍の支援と監視団の動きを可能にし、監視団の移動の障害を避けることを確約した。アナンの提案の成功の機会に疑問をはさむについては、2つの主な角度からの解釈が可能である。
第一:この疑問は、すなわち、シリア政府が停戦合意への専心に実際に圧力をかけることで、これはアナンの提案の他項目(6項目)、特に交渉のテーブルに着くことへの移行を準備するものである。
第二:この疑問はアナンの提案に対して早めの「死亡証明書」を出すこと。これは、速く封鎖の選択に飛び移るということで、これは、おそらくは反体制派を重武装させるか、または軍事介入を行うか、である。
ジュぺがアナンの任務の失敗のための自然な進展として内戦を警告するにおいては、サウジアラビアやカタールが呼びかけた武装計画が直ちに始まることを意味するが、一方、地域戦争の警告は、NATOであれ、数カ国のアラブ軍であれ、軍事介入を意味する。
トルコ外相のアフメット・ダーヴトオールは、本紙編集長の、リビアの友とシリアの友の違いに関しての問いに対し、リビアの友は軍事介入後に設立されたが、一方シリアの友はそれ以前の設立である、と述べた。どうも軍事介入の期日は迫っているようだ。検討はいかなるカバー(口実)を見つけるかに移っている。アナンの任務は失敗するかも知れず、あるいはこの監査官の任務に関する意見の相違に関しては、点火薬に火をつけることが要求されているようである。
( 翻訳者:山﨑やよい )
( 記事ID:26132 )