エジプト:アーディル・イマーム氏に対するイスラーム冒涜罪訴訟
2012年04月24日付 al-Quds al-Arabi 紙
■エジプト:エジプト裁判所はアーディル・イマーム氏を宗教侮辱罪で懲役3ヶ月の実刑判決を支持、知識人、芸術家たちが非難
2012年4月24日 火曜日 『クドゥス・アラビー』
【カイロ:本紙】
アル=ハラム軽罪裁判所は火曜日[訳注:24日]、芸術家アーディル・イマーム氏の3カ月間の禁固刑と、控訴審が決定するまでの間、判決の執行を停止するために100エジプトポンドを保釈金として定めた判決を支持した。同氏は、彼の芸術活動のなかでイスラームを侮辱した罪に問われている。裁判所は、判決に対し審理を求めたイマーム氏の控訴を棄却した。
裁判所は、前回のイマーム氏不在の欠席裁判で判決を下したが、同氏はこの判決に異議を申し立てた。しかし今日[訳注:24日]裁判所は控訴を棄却し、禁固判決と、軽罪裁判所が最終的に控訴を決定するまでの間、判決の執行を一時的に停止するために100エジプトポンドを保釈金として定めた判決を支持した。
裁判長は今日未明に判決を下した後、裁判所の建物を後にした。記者との面会や判決の発表は拒否し、今日の午後、判決を登録した裁判所書記長に委ねられた。
アーディル・イマーム氏の弁護士は前回の裁判の訴えのなかで、直接個人的損害がない場合で被告人の市民的権利に対する告訴を受け入れることのないように求めた。また、弁護団は、イマーム氏に対する禁固刑の破棄を求めた。なぜなら、被告の芸術活動はイスラームを一切冒涜しておらず、公演前に芸術審査委員会の審査を受けていたからである。同委員会は、同氏の芸術活動が(イスラームに対する)いかなる冒涜も中傷も含んでいない確認して公演に同意していた。
訴訟は、弁護士の一人が法廷に提出した直接的な軽罪に焦点が置かれて行われた。原告は、アーディル・イマーム氏が、イスラームを侮辱したこと、宗教を穢す芸術活動をしたこと、ジャラビーヤやヒジャーブ、ニカーブ着用者をからかったことで告訴した。訴えられた活動の中には、舞台『アッ=ザイーム』、映画『マルジャーン・アフマド・マルジャーン』、『アル=イルハービー』、『ハサン・ワ・マルクス』が含まれる。
エジプト創造戦線[訳注:エジプトの芸術家団体]は、俳優アーディル・イマーム氏に宗教侮辱罪で禁固刑を言い渡した前回の判決を支持した火曜日の裁判所の判決を、非難した。
また、ソーシャルネットワーキングサイト「Facebook」のページに多くの知識人、芸術家、ジャーナリストを含むエジプト創造戦線は、アーディル・イマーム氏の判決を支持することは一層の「(言論)統制」の訴訟の序章であり、創作家たちの自由な意見表現を禁止する試みを続けることであるとみなした。
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( 翻訳者:袖山結生 )
( 記事ID:26178 )