シリアにおけるアル=カーイダ存在の真実
2012年05月18日付 al-Quds al-Arabi 紙

■シリアにおけるアル=カーイダ存在の真実

2012年5月18日『クドゥス・アラビー』

【アブドゥルビッリー・アトワーン】


国連事務総長パン・ギムンがダマスカスとアレッポで起きた、数十人の犠牲者を出した最近の自爆行動が、「アル=カーイダ」組織によるものであることを認めるとき、この認知は、シリア内外の反体制派や革命支持者が恐れるより、もっと政権が恐れるものとなるに違いない。と言うのはこのイスラム急進派組織の登場は、政権やその治安の威信を害することを追い求めるであろうから。


国外のシリア反体制派は数ヶ月の間、アル=カーイダや他のイスラム急進派集団のシリアにおける存在を否定し、声明において政権が最近の爆発事件の背後にいることを訴え続けた。このことはしかし、国連事務総長の最近の認知の後、メディアの信頼性への打撃につながった。反体制派の政権に対する戦いは極めて厳しいもので、力のバランスにおいて、強大な軍需品を持つ政権に絶対的に利がある。そして治安の「弾圧マシーン」は他のいかなるアラブ諸国にも比類がない。しかし、報告の信頼性は、特にメディアは、この戦いにおいて最も強い武器として残る。と言うのは、政権の部隊が犯している殺人活動の結果に関する現地での真実には、粉飾も偽装も要らないのであるから。



シリア国内の抵抗運動の代弁者と、国外のその代表を名乗る者の間には、信頼性や、現地での活動、犠牲の「供献」と言う意味で、非常に大きな隔たりがある。そして国外でのパフォーマンスの貧弱さが、調整委員会をして国民評議会代表のブルハーン・ガルユーン氏の退任を求め、同評議会の国内の革命闘士のレベルを上げるに要求される努力の欠如を非難するに至った。

シリアの闘争の場は、様々な流派や政冶・思想傾向の前に開かれてしまった。そして我々は、政権への抵抗に参加している武装集団がこの闘争の場に入る許可を、政権からも、また反体制派からも必要とするとは思わない。アン=ナフダ党に属する、国の連立政権の指導者である、チュニジアの内務大臣アリー・アル=アリードは、チュニジアの闘士がシリア革命闘士の側に立って戦っていることを昨日認めた。またレバノン当局は、リビアから来た武器を積んだ船を差し押さえたが、これは、シリア国内の武装シリア反体制派に武器を配送するのが目的であった。

アメリカの報告は、一度ならずアル=カーイダの戦士がイラクからシリア領土に移動したことを伝えた。湾岸諸国やサウジアラビアが、特にシリア国内の革命家にむけて送った武器や戦闘用機器の収集活動の調整を行ったことを伝えたように。
シリアの反体制派は、厳しく、激しく皮肉をこめて政権のメディアの非難をし、信憑性の欠如を訴え、その非難を特にテレビ局に集中させた。したがって、彼らには罠そのもの、すなわち誇張された罠にはまらないこと、真実を曲げないことが求められているのである。シリア国内とアラブ世界の支援者や支持者の信頼を得ようするのであれば。

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( 翻訳者:山﨑やよい )
( 記事ID:26446 )