最高裁、オジャラン「さん」付けを容認
2012年05月21日付 Yeni Safak 紙
最高裁は、アブドゥッラー・オジャランに「さん」付けし、PKK(クルディスタン労働者党、非合法組織)のメンバーを「ゲリラ」と表現したハティプ・ディジュレ氏、セリム・サダク氏への懲役刑を無効とした。これらの表現は、トルコ憲法、欧州人権条約(AİHS)及び基本的自由の保障に関する条約における「表現の自由」に関する条項の範囲内にあたる、とした。
最高裁判所第9刑事小法廷は、これまで多数の政治家が懲役刑に科せられた理由である「アブドゥッラー・オジャランさん」との発言を許可した。最高裁は、この発言を「表現の自由」の範囲内と評価する必要があるとし、この表現への罰則の適用を解除した。一時代を特徴づける「さん」付け論争はこのように終了した。最高裁は、同判決を、今もクルディスタン社会連合(KCK)裁判で収監されているハティプ・ディジュレ氏と平和民主党(BDP)党員のセリム・サダク氏両名がロジュ・テレビのインタビュー番組でおこなった(発言)にも適用させた。
二人はテレビ番組でアブドゥッラー・オジャランに「さん」づけし、PKKメンバーを「ゲリラ」と表現した。アンカラ特別検察官はこの表現を受けてディジュレ氏とサダク氏を起訴した。両氏はアンカラ特別第11重犯罪裁判所において、この発言を理由として被告席に座らせられた。裁判所は、「PKKのテロ組織としての目的を正当化し、犯罪と犯罪者を称賛した」ことにより、両者に6ヶ月の懲役刑を宣告した。
控訴審は最高裁に移された。判決を無効とした最高裁判所第9刑事法廷の判決は以下の通りであった。ディジュレ氏とサダク氏が出演したテレビ番組は(番組)全体として考慮されることが求められ、その範囲で両者の発言は表現の自由を定めた憲法第26条、欧州人権条約(AİHS)と基本的自由の保障に関する条約の第10条にあてはまると説明がなされた。
ハベルトゥルク紙の報道によれば、取り消し理由の中で、これらの発言が「最高裁と欧州人権条約の決議で認められる「表現の自由」の行使の範囲内にある」とされた。最高裁は、ディジュレ氏とサダク氏のこれらの発言を理由に裁かれることはできないとし、全会一致で無罪とした。
■150人が裁判にかけられた
最近、オジャランに「さん」付けで呼んだために被告となった人たちの支援を目的とするキャンペーンがはじめられた。キャンペーンに参加し、「もし、さん付けで呼びかけることが犯罪であるなら、私もアブドゥッラー・オジャランさんと発言し、この罪を自ら通報する」との嘆願書を提出した150人に関して裁判が開かれた。アブドゥッラー・オジャランの29人の弁護士についても「さん」付けしたために300回近く裁判が開かれた。
メフメト・アリ・シャーヒン前法務大臣は2008年にある質問主意書への返答において、7,887人が「さん」付けしたことにより裁判にかけられたことを明らかにした。2006-2007年にもこの罪で949人が有罪となった。
■ハカンMİT次官も「さん」付け
ハカン・フィダン国家諜報機構(MİT)次官が参加したオスロでの(PKKとの)会合に関するメディアに流出した書類において、フィダン次官がオジャランに「さん」付けしたといわれていた。
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( 翻訳者:岸田圭司 )
( 記事ID:26460 )