世界約50ヶ国のハラール食品に認可を与える諸組織の上層機関である世界ハラール評議会(WHC)は、評議会本部をイスタンブルに移設する準備をしている。
4月にマレーシアのクアラルンプールで開催された半期会議でWHC運営委員会のメンバーにより、評議会本部をイスタンブルに移設することが事前決定された。決議は10月にイスタンブルで開かれる大会で最終的になされる。
WHCの、昨年10月のイスタンブルで開催された大会で評議会会長に選出された、トルコ食品・必要品検査及び認証協会(GİMDES)のヒュセイン・カミ・ビュユクオゼル会長は、この決定がトルコに取って非常に重要であったと述べた。
ビュユクオゼル会長は、評議会本部をイスタンブルに移設することはトルコのイスラム世界との協力関係をさらに増大させるものであると述べ、「ハラール認可に関して、世界中全てのイスラム教徒がここから情報を得て、認定がここで行われることは、重要な責務となる。トルコからの輸出品目が、大きな可能性を得るだろう」と話した。
ビュユクオゼル会長は、この移設実現に向けた取り組みを始めたと表明し、評議会の会長が変わっても、運営や事務業務が行われる恒久本部はイスタンブルに置かれると述べた。
ビュユクオゼル会長は、昨年の大会で議題になったハラール商品の専門家、コンサルタント、検査官を養成する職業高等学校がトルコで開設されることについても、取り組みは続いていると話した。
■「ハラール世界マーケット」
ビュユクオゼル会長は、GİMDESが認可した商品が販売されている「ハラール世界マーケット」に関しても説明を行い、「GİMDESは、このプロジェクトに商業的な側面を持たせていない。GİMDESはハラール認可を与えた商品を販売する条件で、呼称の権利を無償で与えており、監査も行っている」と話した。
ビュユクオゼル会長は、トルコでこの商店の数は合計7店舗、内訳はイスタンブルに3店、カフラマンマラシュ、マニサ、クルシェヒル、コンヤにそれぞれ1店有り、他に4つの店舗が認可待ちであると述べた。
「ハラール世界マーケットはこの問題について敏感な人々によって選ばれているとビュユクオゼル会長は述べ、他の商店もハラール認可がおりた商品のために、別の商品棚システムを設けることを考えていると話した。
■CNRでハラール食品博覧会
第三回ハラール及び健康商品博覧会がGİMDESとWHCの支援の下2012年8月30日から9月2日にCNR EXPOイスタンブルで開催される。
中小企業組合(KOSGEB)が出展企業に支援を行うこの催しでは、中小企業に対して出展金額の半分を援助する。ハラール及び健康商品博覧会に参加する国々は、イラク、イラン、インドネシア、マレーシア、パキスタン、シリア、インド、バングラデシュ、サウジアラビア、エジプト、バーレーン、クエート、カ タール、オマーン、イエメン、アラブ首長国連邦、オランダ、フィンランド、カナダ、フィリピン、ブラジル、ベルギー、イギリス、フランスである。
■GİMDESとWHCの関係
GİMDESは、トルコでハラール及び健康商品の調査及び認証の為に2005年に民間組織として設立された。2008年にGİMDESはWHCに加盟し、マレーシア、インドネシアといくつかのアラブ諸国の輸入食品についてハラール食品の認証状況を調査する目的で、これらの国々から認定を受け、2009年からハラール食品の認証を行う業務を開始した。
2011年のトルコで$142億だった食品輸出額のうち、$20億はGİMDESが認証したハラール食品が占めており、GİMDESが2009年から鶏肉、赤肉と乳製品を主に扱う210社に与えた認証をもって行われた輸出は$40億に達する。
WHCは1999年にジャカルタで設立され、ハラール食品の証明と認証を標準化する目的で設立された、世界中の50ヶ国でハラール食品に認証を与える諸機関を統括する上層機関として活動している。
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( 翻訳者:有田 潤 )
( 記事ID:26576 )