BDPデミルタシュ党首、「政府の要請あればPKKを仲介する」
2012年06月04日付 Milliyet 紙
平和民主党(BDP)党首は、テロ組織の武装解除について政府からの要請があれば、PKK(クルディスタン労働者党、非合法組織)との間を仲介することができると話し、「どのような役割が与えられようが、私たちはそれを演ずる」と語った。
BDPのセラハッティン・デミルタシュ党首は、(PKKと)政府との間に対話や交渉の基盤がないことを指摘し、今後もし要請があれば、(BDPが)武装解除についてPKKと話し合うことができる、と語った。デミルタシュ党首は政府と過去におこなった会合で、「要請があれば、政府に代わってPKKへメッセージを届ける」と申し出たが、政府はそれを受け入れなかったとし、(求められたなら)「BDPに与えられた役割を喜んで演ずる」と語った。トルコ公営放送(TRT)1で放送されているテレビ番組「政治的イニシアティブ」で、ジャーナリストのデルヤ・サザク氏、フェフミ・コル氏とムスタファ・エルドアン氏の質問に答えたデミルタシュ党首は、主要な議題について概略、以下のように答えた。
■交渉の用意がある:
私たち自身とその周辺では、一時として交渉や対話の窓口を閉ざしたことはありません。全く逆に、すべての暴力的な手段や方法(を採ること)を認めていません。その他のあらゆる方法は試さねばなりません。そのために努力します。
■票を失う懸念から遠ざかる:
真に話し合うべきことは、殺人、心を煩わせる問題でなければなりません。火事を消すことができていません。この問題には、実政治を離れて眺める必要があり、票を懸念することから遠ざかる必要があります。私はBDP執行部をこうした点で信頼しています。票を失う懸念にとらわれず、党派心を持つことなく、交渉の席に着くことになるでしょう。
■PKKメンバーであれ、(違法な)爆撃は犯罪である:
(ウルデレからイラクに密出国したグループが、向こうでPKKメンバーと入れ替わってトルコ側にもどり、大きなテロを行おうとしているとの諜報情報があり、そのために爆撃されたといわれているが)イラク領内で爆撃されたのが、たとえPKKメンバーのグループであったとしても、その人たちがトルコへむかって入ってきているのであれば、そのグループに何も聞くことなく戦闘機でせん滅することは、犯罪であり、法律違反である。「全員が武器を携帯しているのであれ、降伏しにきているのか、逃れてきているのか、軍事作戦をおこなうのか、誰なのか、何なのか、分からずに、国内の治安関連法によれば、『投降』を呼びかけず、相手が武力での抵抗を示さなかった場合、あなた方は発砲できません。そこで何が起きようが、犯罪です。
■トルコ側もロバの数によって金を稼ぐ:
そこ(ウルデレ)では、人々が、警察に知られることなく行動することは不可能である。さらに、多くの警察も、これらの仕事(密輸)を共同で行っている。何年もこのような状態であり、警察は分け前をもらい、軍司令官も分け前をもらっている。
■PKKにメッセージを届ける:
私たちが政府とおこなった会合において―そんなに最近のことではありませんが―、過去に行った会合で、私たちが(交渉の)一翼を担うことを明らかにした。一度、政府側が考えを表明した。政府のこの考え・要請は、私たち直接に関係することでなく、実現できることではなかった。それで、私たちは次のような提案をした。そちらの発言を、あなた方に代わりPKKに届け、議論したいと思いますか?政府側は「いらない」といいました。この状態で私たちは何ができるでしょうか。政府が出した要求は、武力(闘争)や軍事行動に関連したものです。BDPの力が及び、あるいは、BDPが調整、組織化、支援において役割を演じた活動ではありませんでした。
■フィダン次官は、狼の餌食になるところだった。
ごらんなさい。国家諜報機構(MİT)次官の身に何が起こったかご覧のことでしょう。政府が支援し承認して実現した対話のプロセスだったにもかかわらず、代表団はまさに、狼の餌食になるところだった。法の条項によりそれは免れることになりました。首相にもことが及ぶ、危険なプロセスでありました。
[訳者注:国家諜報機構のフィダン次官が、オスロ―でPKKと交渉したが。のちに特別権限裁判所が取調べを行おうとした事件をさす。政府が法を改正し、それを阻止した。]
■私たちは喜んで任務を遂行する:
どのような協力ができようと、(PKK)武装解除の点で、直接的、間接的ないかなる役割が考えられようが、私たちはその役割を演じます。(政府が望むならば、PKKとの停戦、あるいは、全面的武装放棄のために話し合うことができる、とおっしゃりたいのか?との問いに対し)双方がこのことについてBDPへ役割を承認してくれるなら、私たちは喜んでその任務を遂行します。役割が承認されなくとも、とにかく、この問題において努力していきます。素早く結果を得るために、議論する双方がこの問題における意思を明らかにすることは大変重要と思います。
■共和人民党(CHP)の歴史上初:
政府が呼びかけても、BDPも呼びかけても、CHPは、その呼びかけや要望に答えませんでした。しかし、CHPは、今回、政党史上で初めてこの問題にこれほど具体的に関わろうとしています。CHPは、共和国設立の法や(共和国初期の)「独立法廷」の時代から今日までの歴史を有しています。そのCHPの努力を軽視するのは、正しくありません。私たちは重要視しています。
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( 翻訳者:岸田圭司 )
( 記事ID:26613 )