アゼルバイジャン天然ガスのアナトリア縦断パイプライン計画、調印
2012年06月26日付 Radikal 紙


アゼルバイジャンの天然ガスをトルコがヨーロッパまで輸送するアナトリア縦断パイプライン計画(TANAP)が、エルドアン首相とアリエフ大統領の立ち会いのもと調印された。

(イスタンブルの)ベシクタシュにある首相府執務室で執り行われた調印式において、エネルギー天然資源大臣タネル・ユルドゥズと、アゼルバイジャンのナトゥク・アリエフ産業エネルギー大臣が協定書に調印した。エルドアン首相とアリエフ大統領は同書に立会人として署名した。

同式において、トルコ共和国政府とアナトリア縦断パイプライン会社の間でのアナトリア縦断パイプラインシステム関係ホスト国の協定書には、タネル・ユルドゥズエネルギー天然資源大臣とアゼルバイジャン国営石油会社(SOCAR)のリョヴナグ・アブドゥッラエフ社長が協定書に調印した。

アナトリア縦断パイプライン計画に関する合意協定は、SOCARのリョヴナグ・アブドゥッラエフ社長と国営石油ガス・パイプライン輸送公社(BOTAŞ)のメフメト・コヌク社長により調印された。協定書への調印は両国のエネルギー大臣立ち会いのもと行われた。

■アナトリア縦断パイプライン(TANAP)計画

トルコのBOTAŞとトルコ石油会社(TPAO)の提携により2011年12月26日付けで事前合意が実現したアゼルバイジャン国営石油会社SOCARのアナトリア縦断パイプライン計画は、70億ドルの投資によって始動する。計画の第一段階は2018年に終了する予定だ。

TANAPのために結成された連合には、SOCAR、BOTAŞ、TPAOが最初の提携者として名を連ねている。TANAP計画の中で、トルコのBOTAŞとTPAO共同でのコンソーシアムへの出資比率は20%である。残り80%の出資比率はSOCAR関連のものとなる。

TANAPは、天然ガスをアゼルバイジャンから抽出し、グルジアを通過しトルコ経由で販売と輸送を行われる計画である。シャー・デニズ第二計画共同事業関連の160億立方メートルのガスのうち、60億立方メートルはトルコに売却され、100億立方メートルはTANAPを通じて欧州のブルガリアとギリシャ、もしくはそのどちらかの国境で繋げられる。

トルコ国境のテュクルギョズを始点とする56インチのパイプラインの終点は、欧州のギリシャとブルガリア、またはそのどちらかの国境であり、トルコ国内での終点はエスキシェヒルもしくはトラキア地方となる予定である。

TANAP計画には4つの段階が予定されており、第一段階は2018年に初のガス流入をもって実現する。2020年には年間160億立方メートルになる容量を、2023年に230億立方メートル、2026年には310億立方メートルまで拡大させることを目標としている。

トルコ国内の輸送パイプラインの西の始点を支えつつ、西部地方の供給の安全を強化するこの計画は、将来的にはトルクメニスタンのガスがトルコとヨーロッパに輸送されるための代替ラインとなるという特徴も持っている。

両国にとって戦略的に大きな重要性をもつTANAPは、トルコとヨーロッパにとって適切な価格と決まった天然ガスの容量で供給の安全を支える一方、アゼルバイジャンが所有する天然ガス田を新たな市場へと届けるといった大きな利益も同時にもたらしている。

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( 翻訳者:大門志織 )
( 記事ID:26851 )