薬草(ハーブ)ブームに警鐘―トルコ医師会
2012年06月30日付 Radikal 紙


イスタンブル医師会(İTO)は、医師かどうだかでさえ分からない「(怪しげな)専門家」らが、テレビなどで薬草(植物薬、ハーブ)を勧めているとし、(正しい知識を広めるため、医師、専門家)による協会を設立した。

インターネットとテレビで取引される「万能薬」の薬草やあらゆるものを治す奇跡をおこなう「教授たち」は、健康とお金を奪っている。イスタンブル医師会のアリ・チェルケズオール会長は、「病人をもてあそんでいます。この原因を話し合い、対応を検討するため、イスタンブル医師会として、伝統的薬草協会を設立しました」と話した。
協会は、著しく増加している薬草や薬草専門家に関する提言を、注意を促す意味で保健省に対して提出する予定。

「最も有名な専門家の本職はタバコの専門家」

チェルケズオール会長は、「多くのテレビ番組や新聞の様々なシリーズ記事に登場する薬草学の博士たちの中の1人は本職がタバコの専門家です。この人物は、我々の調べた情報によれば、アゼルバイジャンで短期間、それがどのようなものであったのかは分からないのですが医学教育を受けた後、専門家としての証明書を取得しました。この人物と同様、やはり非常に知られていて新聞やテレビに登場する2人の薬草学の博士たちも本職は開業医です。彼らも国外で取得した証明書で(治療)プログラムを実践し、薬草の処方箋を勧めています。しかし、彼らが受けた医学的教育や証明書は、トルコにおける教育と同等であるとはみなせませんし、彼らが持つ「教授」の肩書もトルコの大学教授に匹敵するものでもありません。

ヒュスレヴ・ハテミ教授:トルコの「薬草(ハーブ)ブーム」はこの1年で、もはやコントロールができないほど最高潮に達しました。レジェプ・アクダー保険大臣は、この問題に関して個人的にも大きな関心を持って対応されていると伺っております。この問題のきっかけは95-96年ごろにあります。当時の政府は、トルコに流入するビタミンや薬草の輸入許可を食糧農業省に与えました。この1年の間、タガが外れてしまったかのように、無頓着に輸入が続いています。私はテレビを見ていると本当に恐ろしくなります。

アフメト・ラシム・キュチュクスタ教授:自分たち医者に問題がなかったか考えてみましょう。現代医学や医者は、病気がどのようなもので、どうやれば防げるのか助言していない。栄養補助食品の名のもとに販売されているこれらの製品は食糧農業省が、これらの製品のコマーシャルについてはテレビ・ラジオ高等機関(RTÜK)と保健省が公然と許可を与え、大学では研究がなされず、メディアは視聴率や発行部数のためにこれらの人物(コマーシャルの)をスクリーンなどに登場させるのです。

イブラヒム・ソゼン眼科医:最もひどい医療でさえも何千回も治験がなされます。薬草専門家らに頼りきり、治療をしてもらうという望みもむなしく、時間を無駄にし、健康であったのに命までも失う多くの患者さんがいます。

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( 翻訳者:富田祐子 )
( 記事ID:26884 )