どうするW、Q、X?―クルド語選択授業
2012年07月03日付 Radikal 紙


政府は、新しい教育制度においてクルド語が選択授業に加わることを明らかにした。この発表後、トルコ語のアルファベットにはないために使うことができない「W」、「X」、そして「Q」の文字について、どのような解決策を見出すかが議論の的となっている。

バトマン県のクルド語教室で教師をしているヴィルダン・ティレイさんは、テレビのTRT6チャンネルでは、「禁止」として扱われている文字に対して、どのような制限も存在しないと説明する。「文章あるいはいくつかの場所に付けられているクルド語の名前に、使用禁止のクルド語の文字(音)があれば大変な問題が生じます。クルド語の選択授業で、この問題がどのように克服されるのかを我々は心配しています。使うことができない文字について解決策が見つからなければ、選択授業で困難が生じるでしょう」と話した。

新しい教育制度において、クルド語が選択授業に加わることが明らかにされたことで、バトマンでは語学学校に対する興味は倍増した。バトマンのキュルディ-デル(Kürdi-Der)では、以前は100人の生徒にクルド語を教えていたが、この数週間で生徒数は150人になった。クルド語教師のヴィルダン・ティレイさんは、5つのクラスがあるキュルディ-デルでは、週末のクラスに教職を専門とするグループが参加していると述べる。「全てのクラスは、一週間に4時間の授業を受けます。生徒たちには各レベルで修了証が授与されます。レベル2のクラスでは、文法を中心に学習します。私たちのクラスでは、最初の段階では作文と会話を中心に学習しますが、このクラスに対して、(クルド語が)選択授業になったことを受けて、急に関心が高まりました。クラスには教職の方々の参加が多いです」。

■使用禁止の文字はどうなる?

クルド語が選択授業として学校で教えられることが明らかにされたことで、ある論議が沸き起こっている。以前に、トルコ語のアルファベットには存在しないが、クルド語では使用され、公的には使うことが禁止されている「Q」、「W」、「X」の文字に対して、どのような解決策を見つけるかが議論されている。ティレイさんは、問題となっている文字について、TRT6チャンネルでは禁止ではないとし、以下のように続けた。

「文章あるいはいくつかの場所に付けられているクルド語の名前の中に、使えないクルド語の文字(音)が存在すれば、大変な問題が生じます。我々は心配しています。クルド語の選択授業では、この問題をどのように克服するのでしょうか?使用禁止の文字に対して解決策が見つからなければ、選択授業で困難が生じるでしょう。今からこの問題に対して一歩を踏み出さなければなりません。もはや、クルド語における、「禁止文字の時代」に終わりを告げるべきです」。

■アンテルさんの孫の名前に問題あり

1992年にディヤルバクルで起きた武力衝突で死亡したクルド人作家のムーサ・アンテルさんは、長い間スウェーデンに住んだ後バトマンに移り住んだ。バトマンの市庁舎で働く息子のディジュレ・アンテルさん(62)は、娘に「アスィワ(Asiwa)」という名前を付けたいと望んだ。しかし、その名前は使うことができないとされている「W」の文字を含んでいたために問題のもととなった。同時に、ディジュレ・アンテルさんの娘はスウェーデン国籍であるが、これは名前にある「W」の文字のために、トルコ国籍を得ることができなかったためである。父親のディジュレ・アンテルさんは以下のように述べる。
「クルド語が選択授業になることは大変よいことです。しかし、使えない文字が残されている間は、また多くの困難が生じるでしょう。私は、娘アスィワの「W」という文字のために、多くの問題を経験しました。トルコにおける障害を克服できなかったために、娘にスウェーデン国籍をとらせました。もし、クルド語の選択授業で問題を生じさせたくないのであれば、これらの文字の使用制限をなくすべきです。クルド人たちは、自分たちの言葉のなかから好きな名前を子供たちに付けるべきです。私が経験した問題を他のクルド人家族には味わってほしくありません」。

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( 翻訳者:能勢美紀 )
( 記事ID:26903 )