こだわる西洋、拒絶するイラン:イラン政府、制裁には屈せず(上)
2012年06月30日付 Mardomsalari 紙

【イラン外交】 EUによる対イラン石油禁輸措置は、西暦の7月1日の日曜日から始まる。この制裁によって、イラン核問題をめぐるイランと西洋の間の緊張の炎がさらに強まる可能性がある。ガーディアン紙は最新の記事の中で、この制裁を中心に、次のように記述している。「日ごとに制裁が強化され、イラン人の生活のさらに多くの面に及ぶようになっている中、西洋のこうした圧迫がイランの政治指導者らの決定にいかなる影響を及ぼすかは、依然として定かではない」。

 この制裁と同時に、イランと同国の核計画をめぐっては、次々と新たな出来事が起きている。先の木曜日〔6月28日〕、米政府は新たな制裁措置として、石油取り引きを理由にイラン中央銀行と関係をもった国々に対する懲罰に乗り出した。イラン産原油の世界4位の購入国である韓国は、来週にもイランからの原油の購入を停止する予定である。韓国のこうした動きは、イラン産原油を運搬するタンカーに対して保険をかけることを、ヨーロッパの保険会社が禁じられたことを受けた措置である。

 イランはこうした新たな圧力が加えられる前に、国際市場は西洋諸国やアメリカだけではないこと、そしてイラン政府は世界の他の地域にも自国の石油の新たな顧客を獲得することができるということを、常日頃から強調してきた。とはいえ、イランのある公式筋は水曜日、イランの石油生産量が20~30%減少したことを発表している。ヨーロッパはイラン産原油にとって、世界5位の市場であり、イランとの協力継続をヨーロッパの保険会社が禁じられたことは、イラン経済に及ぼす制裁の影響範囲をさらに広げる可能性がある。

 日曜日から一連の新たな制裁が開始され、この制裁に参加する国々が連鎖的にイラン産原油の購入を控えることで、イランの石油生産量は1日に60万~80万バレル減少することが予想されている。制裁開始へのカウントダウンとともに、イランではドルの価格が上昇しており、〔製造業や農業における〕イランの生産力にも好ましくない影響が及ぶ可能性がある。

 売れなくなったものを備蓄に回すことに、合理性があるとはあまり思えない。イランは現在、自国の海に出荷準備の整った石油を数千バレル抱えており、それらを何らかの方法で世界市場に届けることができる日のための蓄えとして用いている。しかしながら、こうした状況が続くと、イランはそのうち石油の採掘をやめなければならなくなる。採掘の停止は、長期的に油井を技術的問題に直面させ、将来の採掘を困難にするだろう。

つづく


Tweet
シェア


つづきはこちら
関連記事(サウジアラビア外相「核問題をめぐる交渉は時間の無駄」)

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:8409161 )
( 記事ID:26924 )