ドイツの公式記録によると、最初のドネル屋は1972年にベルリンで誕生している。ただ、ウルム市在住のネブザト・サリム氏は、1969年にロートリンゲンで父と一緒に初めてドネル屋を始めたと主張する。
ドイツでは、ドネルケバブが既にカレーヴルスト(ソーセージサンドウィッチ)やハンバーガーのようなファーストフード業界で欠かせない存在となっている。
記録上、ドイツ国内最初のドネル屋が誕生したのはベルリンで、1972年のことである。欧州ドネル屋協会(ATDID)のデルヤ・チョラケル氏は、ドイツ 通信社に対し「我々の調査によると、ドイツで最初にドネル屋を始めたのはカーディル・ヌマン氏で、出店場所はベルリンである」と述べる一方、その少し前に同 じベルリンでメフメト・アイギュン氏が1971年にベルリンで開業した、と言及した。
現在、ウルム市在住のネヴザト・サリム氏が1969年ロートリンゲンで開業したのが、ドイツ最初のドネル屋だとの主張がある。サリム氏は、同年にドネル屋 を開業した時の写真も持っており、「市中心部のバザール(Markplatz)でドネルを売る荷台を組んだものだ」と振り返る。
■数字で見るドイツのドネル経済
-ドイツ国内での年間販売量 12万2千トン
- 1日当たり生産量 400トン
-ドネル屋店舗数 1万5千店
-ドネルメーカー 120社
-ドネル業界就業人数 7万人
-年間売上高 25億ユーロ
■新たなページが開かれる
サリム氏は1968年ブルサからドイツに渡った。トルコではキョフテ屋、ケバブ屋等で働いていたようだ。来独後、父と共にトルコ人協会の会合や催事の際にドイツ人や他の来客にドネルを振舞った。このエピソードは、ドイツで最初にケバプ屋を始めたのは誰かを巡る論争に一石を投じるだろう。
バーデン=ヴュルテンベルク州レストラン協会会長のユルゲン・キルヒャー氏は、「歴史を振り返ってみると、これはドイツのドネル史における新たな1ページである。非常に重要な進展である」と述べる。
■歴史の一端を担っている
ドイツで1969年父と共にドネル屋を開いたと主張するネヴザト・サリム氏は、「ドネルケバブはドイツにおける地位をとうに獲得している。私もこの歴史 の一端を担っており、忘れられてはならない。名を轟かせたいとか、名誉を欲しているわけではないが、権利として主張しているのだ」と述べる。サリム氏は、 ドネル屋を始めた当時について、「当時は、ピデがなかった。ドイツのパン屋に特注で作ってもらっていた。子供達からは「レバーケーゼ屋」(ドイツ風ミートローフ屋)と呼ばれたものだ」と振り返る。
サリム氏は、最近の赤レタスとマヨネーズを入れて食べるドネルは本物ではなく、味を台無しにしていると指摘、「(ドネルの)本来の味を変えている。売り手は品質、清潔、サービスに力を注ぐべきだ」と述べた。
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( 翻訳者:山根卓朗 )
( 記事ID:27035 )