カッパドキアの世界的に有名なウフララ渓谷で、隣同士に掘られたモスクと教会が発見されたことで、一般的に知られていたこととは違い、ウフララ渓谷では、キリスト教徒と同時期にイスラム教徒も生活していたことが明らかになった。
ユスフ・アルトゥン・アクサライ博物館長は、ウフララ渓谷における重要文化財を見分け、プロジェクト化する調査が進められていると述べた。
ウフララ渓谷で以前に行われた発掘により登録された文化財の数が、今回のこの発掘で12から45に増加したとし、モスクが登録文化財の一つになることに興奮したと強調した。
アルトゥン館長は、渓谷で初めて岩を掘って造られたモスクと遭遇したことについて、これが、カッパドキア最大の居住区であるウフララ渓谷について今までに知られている多くのことを変えたと述べ、「このモスクの近くで、岩を掘って造られた教会が発見された。これにより、ウフララ渓谷で、キリスト教徒と同時期にイスラム教徒が生活していたことが明らかになった。さらに、互いの礼拝所が非常に近接している」と話した。
■ミフラーブや円屋根がある岩窟モスク
アルトゥン館長は、岩窟モスクは、遅れてきた信徒が礼拝を行う場所とハリム(集って礼拝を行う場所)から構成されていると説明し、以下のように述べた。
「モスクの入口へは、岩に掘られた3段の階段を上る。ハリムには、メッカの方向にミフラーブ、ミフラーブには、6つのムカルナスがある。このモスクの最大 の特徴は、円屋根があり、その円屋根が岩を掘って造られていることである。ここでは、ミフラーブの特徴は、繰形であり、ミフラーブ は、壁龕の方に向いている。モスクはとても手をかけて造られている。アーチ状の壁龕のくぼみで飾られている。外からは目立たないモスクだが、中に入ると驚かされる。通風口や、直接外に出る入口の扉があるこのモスクの最大の特徴は、隣に教会があることである。モスクとは入口が別になっているこの教会は、地下都市とつながっている。モスクと教会を隣同士で発見し、重要な文化財を発見した。」
同館長は、教会とモスクの近くで発見された「食堂」と名付けられた場所が、キリスト教徒とムスリムが共同で使用していた可能性もあると話し、「教会 やモスクの壁に見られる壁画技術が同じである。これは、同時期に描かれたものであることを示している。この建物が、アナトリアのセルジューク朝時代のものでは ないかと予想している」と話した。
■観光客があまり来ない場所で
ウフララ渓谷で岩窟モスクが発見されたことで、ここにムスリムが生活していたことが明らかになったと話すアルトゥン館長は、「モスクは、渓谷の中でも観光 客があまり訪れない場所にある。ベリスルマ村からヤプラクヒサル村へ方向に向かう途中、3.5キロの距離にウフララ渓谷の右の岩場の斜面に、渓流の約 50〜60メートル上に、斜面全面に掘って造られた連続した掘られた岩の一つ。ここは、渓谷を訪問する観光客のツアーの範囲外の場所」と話した。
アルトゥン館長は、さらに、渓谷の出口に位置するヤプラクヒサル村でも、岩窟モスクが確認され、今後の調査で多くの場所が明らかになる可能性があると付け加えた。
この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る
( 翻訳者:田辺朋子 )
( 記事ID:27145 )