BDPバイデミル市長、「トルコにもクルド自治区ができる」
2012年07月28日付 Milliyet 紙

オスマン・バイデミル・ディヤルバクル市長は、クルド人は行政的・政治的地位を要求していると述べた。バイデミル市長は、「中東地域全体での唯一の行く末として、イラクのような又はそれに似たクルド自治区(クルディスタン)がイランにもできるでしょう。トルコにもシリアにも、クルド自治区ができるでしょう」と 言った。バイデミル市長は、国境を撤廃しEUのように通貨統一したいと話し、クルド自治区の首都はカミシリ、ディヤルバクル、アルビル、マハバードだと言った。

オスマン・バイデミル・ディヤルバクル広域市長は、同市で活動する新聞記者らに南東部新聞記者協会でイフタール食事会を開いた。ズュベイデ・ズュムリュト平和民主党(BDP)ディヤルバクル支部長も参加した食事会で、バイデミル市長はトルコ語とクルド語の両方を話し、シリアでの騒動について触れ、衝撃的な発言をした。

バイデミル市長は、政府の「善隣友好外交」を批判し、「どうしたら、そもそも問題などなかった隣国と、問題ゼロの状態から、今日シリアのクルド地域の領域を緩衝地域という名のもとに占領するような状態に移行などするでしょうか。これは何という愚かさでしょう。もし仮に、隣国の住人がクルド人であることが不満なのだとしたら、クルド人が隣人であることから我々の生活が脅かされているのであれば、この国に住む2000万のクルド人とどうやって共存していくつもりなのでしょうか。この国を動かす政府幹部にはっきりと明確に次のことを申し上げたい。2000万人を無しとみなす外交・内政から足を洗うべきで す。クルド人の喜びが政府の悲しみであってはならないのです。クルド人の熱い思いが政府の懸案であってはならないのです。もしこのように続けば、それは私たちの懸念であり心配していることであり、今日共に(解決を)模索することになりましょう」と述べた。

■イラクのように、イラン、トルコ、シリアでもクルド自治区ができる

バイデミル市長は、雲行きが怪しい段階にいると述べ、次のように話した。「道徳的・精神的な責任にしたがい、発言したいと思います。BDP支部長もご参席しており、議員の皆もここにいます。議会では正しい政治が行われていますが、道徳的精神的責任でもって言えば、シリアの、またシリア・クルド地区の占領は懸案事項であり、中東への平和を可能な限り遠ざけてしまうような事態になるでしょう。中東地域全体の唯一の行き末として、イラクのような又はそれに似 たクルド自治区がイランにもできます。トルコにもシリアにも、クルド自治区ができるでしょう。これの他に道はないと思っています。2000万のクルド人はもはや、自身の存在を否定する人々の存在に対し、自身の存在を犠牲にすることはありません。このことを全世界が知っておくべきです。今のところは我々はまだ 同志だと思っているトルコ人も、このことを知っておいてほしいです。我々の存在を認めないいかなる人々にも、自分たちの身を捧げたりしません。」

■クルド人はカミシリとアフリーンの占領を絶対に認めない

バイデミル市長は、「我々は、平和、友好、それに共存していきたい気持ちを、常に口にしてきました」と言い、次のように続けた。「今後期待していること は、トルコ人は本当に我々クルド人と、クルディスタンの住民と共存していきたいのか?もしトルコ人が我々クルド人、クルディスタンの住民と一緒に暮らして行きたいのであれば、次はあなたたちが発言する番です。あなたがたトルコ人が、政府や国の政策に反対の声を挙げていかなければなりません。いかなるクルド人も政府のカミシリやアフリーンの占領を、絶対に絶対に承認しません。個人的に、政治的責任とは切り離して言うと、クルド人の子として、絶対に絶対に、このことを容認できません。疑いなく、私は武器を持っていません。でも、手が、素手が、心があります。手と、言葉と、心で、この政策に反対していきます。」

■クルド人の要望は行政的・政治的地位

バイデミル市長は、ディヤルバクル県リジェ郡でクルド労働者党(PKK)関係者が道路に仕掛けた地雷が爆発して軍人2名が殉職したことに触れた。同市長は、「昨日は、ディヤルバクルにとって辛い1日となりました。今日もまた辛い日になりました。2名の遺体はディヤルバクルからトルコ西部に搬送されます。こういった事件はもう無くなるべきです。我々が抱える問題は、F-16型戦闘機が落とす爆弾や、軍艦や大砲から発射される砲弾や、銃器でなど、 絶対に解決できないのだと思っています。ただひとつの道は対話です。対話を基にクルド人が求めるものは行政的・政治的地位なのです。クルド人とクルディスタンにそうした地位が与えられない限り、公正さは敷かれることはないのです。私の願いは、トルコ政府が現在進めている政策に対し、我々クルド人よりもっと多くのトルコ人が 待ったをかけることです」と話した。

■クルド自治区の首都は、カミシリ、ディヤルバクル、ヘヴレル、マハバード

バイデミル市長は、今後は、行き過ぎた中央集権制による行政も無くなると言い、「中東支配ということはもう無くなります。心に去来することは、ひとりの人間と して思うことは、クルド自治区の首都はカミシリであり、ディヤルバクルであり、ヘヴレル(アルビル)であり、マハバードなのです。私はマハバードだと思いますが、彼らが決めれば良いことでもあって、私はマハバドだと思います」と話した。

■国境撤廃と通貨統一

オスマン・バイデミル・ディヤルバクル広域市長は、トルコ、イラン、イラク、シリア、アルメニア、それにヨルダンの国境を撤廃すべきだと言い、「税関協定を結ぶべきです。行政、政治の協定を作るべきです。通貨を統一すべきです。EUのように。解放への道を歩んでいると思っています。解放は争いや、拒否や否 定によるものではありません」と述べた。

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( 翻訳者:津久井優 )
( 記事ID:27178 )