ロンドン・オリンピックで疑惑判定:ボクシングのマザーヘリー選手、競技継続を阻止される
2012年08月04日付 Jam-e Jam 紙


【スポーツ部:レザー・プールアリー】2012年ロンドンオリンピックのボクシングで、エフサーン・ルーズバハーニーとメフディー・タルヴァティーが勇気を与える勝利を上げた。このため、91㎏級のイラン代表ボクサーで〔開会式で〕イラン選手団の旗手を務めたアリー・マザーヘリーも、勝利発進することが当然のように期待されていた。ところがこの期待は、あるまじき判定によって、打ち砕かれてしまった。この出来事は、世界のニュースメディアで「オリンピック恥辱の夜」として、話題を呼んでいる。

 この試合で、アリー・マザーヘリーは第1ラウンドを力強く開始し、計算された攻撃と左フックによって、このラウンドを6対4で、キューバのホセ・ラルドト・ゴメス(Jose Larduet Gomez)に先行した。ところが相手のキューバ人選手の攻撃によって始まった第2ラウンドは、イラン人選手に3回の警告が与えられて、試合は真の攻防が始まる前に終わってしまった。ドイツ人審判は1つの注意も与えることなく、1分もたたないうちに3度も、クリンチを理由にアリー・マザーヘリーに警告を与え、キューバ人選手の手を勝者として高く上げてしまったのである。

 この驚くべき判定に対し、マザーヘリーは怒り心頭に発し、キューバ人選手のコーチと握手した後、審判とは握手することなく、抗議の意思を表すためにリングを〔足早に〕去って行った。この試合の審判を務めたドイツ人審判の判定に対しては、エクセル・ホールにいた観客からも抗議の声が上がった。しかしマザーヘリーがリングから足早に去ってしまったことで、このあるまじき判定に対するイラン側の抗議は、試合結果に影響を与えることはなかった。

 この卑劣な判定に対する不快感を募らせたマザーヘリーは、予期せぬ敗北の後、「こんな不公正な判定を見たことは一度もない。審判たちがキューバ人ボクサーを勝たせたかったことは明らかだ。彼らは私が試合で勝つことを知っていたんだ。だからこうやって私を負かそうとしたんだ」と怒りをあらわにした。

 この試合後、イラン・ボクシング協会の責任者たちはマザーヘリーとキューバ人選手の試合で審判を務めた人物たちの不公正な判定に対して抗議の意志を表明、その結果、イラン代表ボクサーの言い分が証明された。世界アマチュアボクシング連盟は昨日、誤った判断を下したことを理由に、この試合で審判を務めたドイツ人審判フランク・シャルマフから〔審判としての資格を〕5日間剥奪する裁定を下した。

 この決定を受け、世界アマチュアボクシング連盟の台湾人会長・呉経国博士は、「われわれは常に世界のボクシング競技で公正さが保たれるよう努力している。こうしたことから、ここ数日の出来事を踏まえ、明らかな誤審を理由に、一部の審判から〔審判資格を〕剥奪することを決定した」と述べた。

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( 翻訳者:ペルシア語記事翻訳班 )
( 記事ID:27267 )