PKK、CHP議員誘拐
2012年08月12日付 Hurriyet 紙

CHP(共和民主党)トゥンジェリ選出のヒュセイン・アイギュン議員がトゥンジェリで誘拐されたという情報を得たCHPのケマル・クルチダルオール党首と党中央執行委員会のメンバーが党本部に集まった。クルチダルオール党首はアイギュン議員が誘拐されとの報をうけた後、党本部に移り、党のスタッフたちと状況の分析を行った。会合の後、CHPのスポークスマン、ハルク・コチ氏は会見を行い、事態は困難なものであると述べた。

■なぜヒュセインなのか

CHPのケマル・クルチダルオール党首が誘拐の知らせを受けた後、党本部で行った会議での最初の言葉は「なぜヒュセインなのか」だった。クルチダルオール党首は:「アイギュン氏がこのような行為の標的となったことには考えさせられる。国が必要な手を打ち、アイギュン氏が一刻も早く救出されるよう努力がなされると信じている。」

■アキフ・ハムザチェビ氏は詳細を明かした

CHP会派副代表のアキフ・ハムザチェビ氏とCHPのスポークスマン、ハルク・コチ氏はHurriyet.com.trに対し、アイギュン氏の誘拐に関して説明を行った。

ハムザチェビ氏の話は以下の通り;

「私は内務相と会った。彼らはオヴァジュクからトゥンジェリへ出発したという。途中、ヴェング橋でテロ組織のメンバーと思われる者たちに止められたそうだ。車にいた3人はこの人物たちによって降ろされたという。我が党の議員だけでなく、秘書と記者一人も車にいたそうだ。全員を車から降ろした後、降ろした3人にテロ組織のプロパガンダを話したそうだ。その後、ヒュセイン・アイギュン氏を残し、他の二人を解放した。その二人は20時頃警察に届け出たという。論評をするにはまだ早い。」

■トゥンジェリの問題を国会に提起した人物

トゥンジェリ県エルドードゥ村生まれのヒュセイン・アイギュン氏は、アンカラ大学法学部出身。トゥンジェリで刑事弁護士を務めているアイギュン氏は、これまで逮捕中の行方不明者問題、1994年の村焼き討ち事件、デルスィム出身者の強制移住問題、拷問、不正裁判、1938年のデルスィム事件をはじめとする、トゥンジェリに関する多くの法的問題の解決に努力をしてきた。同時に多数の著作のあるアイギュン氏は、デルスィム、アレヴィー問題、1938年虐殺事件のような問題についてかかわってきた。アイギュン氏は、ザザ語での著作「Eve Tarixê Ho Têri Amaene」と、(トルコ語による)『デルスィム1938 事件と強制移住』、『時1938年、公式発表と真実』の3冊の本がある。既婚で子供は二人。アイギュン氏は、クルチダルオールCHP党首の誘いをうけ、2011年にCHPから国会議員に選出された。

■CHPのスポークスマン、ハルク・コチ氏:事態は非常に難しい

CHPのスポークスマン、ハルク・コチ氏はヒュッリイェト紙に行った説明で次のように語った:「非常に困難な事態に直面している。トルコで初めて国会議員がテロ組織によって誘拐された。(AKPによる)怒りの政治と緊張を招く議論の後、このような事件が起こった。常識的な解決を探す努力に反して続けられた怒りの政治が問題を引き起こした。この事態が良い形で解決される事を祈る。

■怒りを生む非難合戦がなされていた

私たちは常識ある呼びかけを行っているが、毎晩、毎回食事の前に怒りを生み出す会見や非難が行われている。実際正しいのは、私たちは皆、責任がある、ということだ。そしてこのために、この問題は共通の正当な意見発表の場である国会で議論しなければならない、と私たちは言っているのだ。しかしこうした呼びかけに対し、非難がなされているのだ。
私たちはトゥンジェリ県知事とアイギュン氏の秘書と話した。現在私はCHP本部に向かっており、会議を行う。党首も来るが、事態は困難だ。

■CHPの議員5人がトゥンジェリへ向かっている

一方、CHPのムハッレム・ウシュク議員、ミュスリム・サル議員、イルハン・ジハネル議員、ヴェリ・アーババ議員が23時の飛行機でエラズーへ、そこからトゥンジェリへと向かうため出発したと発表された。

■カメル・ゲンチ氏:BDPが仲介をすべきだ

ヒュセイン・アイギュン氏と同じ党、同じ選挙区から国会入りしたCHPのもう一人のトゥンジェリ選出の議員、カメル・ゲンチ氏では誘拐事件を重大な出来事として評価した。
ゲンチ氏はヒュッリイェト氏に対するコメントで「このようなことが起こり得るでしょうか。国会議員は普通の人ではなく、トゥンジェリ市民の代表だ。私たちは選挙でトゥンジェリから57%の得票率で国会入りした。今日、タイイプ・エルドアン首相は全力でCHPに圧力をかけている。他方、PKKでは「CHPは裏切り者だ」と言っている。裏切り者が誰なのかは明らかである。国会議員が誘拐されたのだ。トゥンジェリ市民は自ら選んだ人間を守る事もできる」と語った。

■一刻も早く解放される事を祈る

ゲンチ議員は事件が発覚して以来、常にトゥンジェリと連絡を取り合っており、そこから情報を得ていると述べ、「しかし事件はまだ起きたばかりで、まだ明確な情報はない。何の目的で誘拐したのか、なぜ誘拐したのか分からない。なにはともあれ重大な事件だ。」
カメル・ゲンチ議員は国会議員の救出のため、国会という一つ屋根の下で協力しているBDP(平和民主党)の議員に仲介の呼びかけを行った。「BDPが(解放のための)仲介をすべきだ」
ゲンチ議員はヒュセイン氏が一刻も早く解放されることを望んだ。

■CHPトゥンジェリ県支部の発表

CHPトゥンジェリ県支部代表のケマル・ボズクルト氏はヒュセイン・アイギュン議員の誘拐に関して自らの所にも情報が来ていると述べ、「誘拐された我が党の議員が一刻も早く解放される事を望んでいる」と述べた。ボズクルト氏は、アイギュン議員は市民や商工業者と会うために朝方オヴァジュクへ行き、そこで党の郡代表らと共に様々な場所を訪問したと述べた。

ボズクルト氏は、アイギュン議員がオヴァジュクから夕方戻る途中、武装集団に誘拐されたという情報が来ていると述べ、「現在続いている戦争が終わるよう何度も言ってきた。一刻も早く平穏な状態に戻る事を望んでいる。座って話しましょう。クルド人の代表が誰であれ、その人たちと政府、野党、NGOで集まり、この問題を話し合い、解決しましょう。この問題は武器や誘拐によって解決できるものではない。誘拐された我が党の議員が一刻も早く解放される事を望んでいる」と語った。

[訳者注:アイギュン議員は、二日後の14日に解放された。]

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( 翻訳者:南澤沙織 )
( 記事ID:27338 )