盗難美術品、「帰国」―ブルサ・シナンパシャモスクの陶製窓飾り
2012年08月13日付 Milliyet 紙


エルトゥールル・ギュナイ文化観光大臣が待望の会見を行った。閣議の前に首相府本部のサロンで記者会見を行ったギュナイ大臣は、ブルサのイェニシェヒル郡にある16世紀作のシナン・パシャ・モスクから盗まれ、国外に持ち出された陶製窓飾りのタイルプレートが、外交的努力によってトルコに帰国したと発表した。

■シュッピリルウマ王につづき

シナン・パシャ・モスクから盗まれたイズニック・タイルがギュナイ大臣の指示で緑の布に包まれサロンに持ち込まれて、記者会見が始まった。ギュナイ大臣は会見で、文化省が国外に持ち出された作品をトルコに返却されるため多大な努力を払ったと説明し、1993年から2002年までの間に863作品がトルコに返却されたにすぎないのに対し、公正発展党政権が政権をとった2002年から今日までには4067作品がトルコへ返却されたと述べた。ギュナイ大臣はこの作品のうち3312は2007年から今日までのこの5年間で見つかったものだと述べ、他の公的機関、特に外務省がこれらの作品のトルコへの返却において大きな支援をしてくれたと説明した。先日も、新たに発見されたヒッタイト王シュッピリルウマのものとみられる彫像も、ギュナイ大臣によって紹介されたばかりである。

■「トルコは(文化遺産を)保護できない」という言葉は、外交的なネガティブキャンペーンの産物

国際法には歴史的作品について(法的な)欠陥があると話すギュナイ大臣は、作品が、見つかった場所や土地で展示されることの重要性を強調した。ギュナイ大臣は、トルコから盗まれた作品に関していうと、一部の国内的そして国外的な圧力団体が「トルコはこれらの作品を保護する能力がない、正しく保護できない」というプロパガンダをしたと説明し、このような見解に対し反論した。ギュナイ大臣は、こうした状況の非常にホットな例が今週中に起こったと述べ、「かつて1985~1995年ごろに、トルコのある博物館で起こった不幸な出来事が、あたかも最近のことのようにメディアで最近報じられている。トルコに作品を渡さないために抵抗している海外の国々は、この昔の事件を新しい報道のように最近、報じている」と話した。

■シナン・パシャ・タイルをイギリスから持って来た

ギュナイ大臣はブルサのイェニシェヒル・シナン・パシャ・モスクにあるコーランの「集合の章」第23節が書かれている陶製窓飾りを記者会見で説明し、アッラーの99の名前の一部が記されているタイルが16世紀のものである と述べた。モスクが1998年、2001年そして2002年に3回破壊・盗難を受けたことを話したギュナイ大臣は、モスクの東の体壁にある窓から盗まれたタイルが何人かの愛国的トルコ人の努力でイギリスで見つかったと説明した。ギュナイ大臣は会見において、タイルがばらばらの状態で2箱で外交貨物として5日前トルコへ届いたこと、そして多大な努力で合体作業が行われたことを説明し「愛国的同志たちの寄与で、まったく非公式な形で本件をおこなわれた。ある意味でこの同志たち、この愛国的同志たちのおかげでこのプレートをトルコへ持って帰ることができた」との表現を使った。

■欠けた部分が補われた

この作品が(この日がそれにあたる)「カーディルの夜(運命の夜)」にふさわしい作品であると述べたギュナイ大臣は、作品が国外で発見されたのち、外交的貨物として2箱で届いた説明した。作品の一部の破損が修復されたこと、欠けた3部分が修復されたと述べるギュナイ大臣は、プレートが今後、アンカラ民族学博物館で展示されると述べた。ギュナイ大臣はプレートに記されたアラビア語の意味を、「健康を与えるもの、平安を与えるもの、たしかなもの、信じられるもの、保護するもの、守るもの、すべてをつくれるもの、もっとも偉大なるもの」という神の名前であるとのべた。ギュナイ大臣はプレートが復元されるときに感じた気持ちを問われ、「最初の部分を我々が組み合わせたとき、叫んだことを覚えている。10年間、我々の国から遠いところにあったのだ。2度とこんなことが起こらないようにと祈っている」という言葉で説明した。

■外交的議論をしたくはないが…

文化省が本件では全くお金を使わず、外交手段だけを用いたと説明するギュナイ大臣は、作品が外国に売却されるのが差し止められ、その結果、盗難品が手元にのこり、そしてそのおかげでなんとか解決する可能性が生まれたと述べた。ギュナイ大臣は、作品に関してメディアに流れたいくつかの情報も以下のように認めた。「非常に注意深い言葉を使いたい、なぜなら外交的議論の原因をつくりたくないからだ。しかし、この作品の一部が湾岸諸国の一つに売られたという非常に広範な噂がある。100万ポンド、つまり2.5兆リラという価格で売られたといわれている。」

■エルドアン大統領が見学

ギュナイ大臣は、九月初頭にこれ以外の分野についてもお知らせすることがあると述べた。ギュナイ大臣は、レジェップ・タイイプ・エルドアン大臣が閣僚会議の前にサロンに行って作品を見ると述べた。

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( 翻訳者:門野淑香 )
( 記事ID:27346 )