解放のアイギュン議員のPKK「擁護」に、CHP大混乱
2012年08月16日付 Zaman 紙

共和民主党(CHP)のヒュセイン・アイギュン議員が拉致から解放された後に、自身を拉致したテロリストに同情する発言をしたことで、世間からは疑問の声が上がった。CHPではというと、皆が当惑している。党員たちは、党執行部に膨大なメッセージを浴びせた。デニズ・バイカル氏は議員と会議を行う一方、クルチダルオール党首はアイギュンを急遽アンカラへ呼び寄せた。

テロリストグループPKK(クルド労働者党、非合法組織)により拉致され、48時間後に解放されたCHPトゥンジェリ選出議員ヒュセイン・アイギュン氏の発言により議論が巻き起こった。アイギュン氏が自らを山へ連れ去り、2日間拘束したテロリストに「若い友よ」と発言し、この拉致を「2日間の山での冒険」との表現を使い、事件に共感を示したことに世間が反発した。

クルド人政治家であり、記者で作家のオルハン・ミルオール氏は、「ヒュセイン氏が拉致事件について軽く流したことは、PKKの拉致という手段を承認するということになる」と述べた。アイギュン議員の発言はCHP内部でも問題となった。党員が執行部にメッセージを浴びせかける一方で、元CHP党首デニズ・バイカル氏は同件に関し議員と会議を行った。CHP党首ケマル・クルチダルオール氏は議論を巻き起こしたアイギュン議員の発言をうけ、彼を急遽アンカラへ呼び寄せた。アイギュン議員へ最も強い反発を示したのは党議員メティン・フェイズィオール氏であった。「PKKを正当な戦士の組織と特徴づけている。これは受け入れ難いことだ」

過去ザマン紙に対し行った発言で使った「デルスィム虐殺の責任は国家と当時のCHP政権にある。アタテュルクが知らなかったなどということはありえない」という言葉で激しい非難の的となったトゥンジェリ選出のアイギュン議員は、党内で再び議論の的となった。アイギュン議員は、今回自分を拉致したPKKに関する発言で議論の焦点となった。特に一部のナショナリストらは、アイギュンが解放された後テロ組織を正当化する発言を行ったとの見解を示している。反発したCHP党員は、同問題を党内部で検討し、アイギュンを戒めるよう望んでおり、さもなければ大々的に反発の声を上げると明らかにしている。アイギュン議員の発言を不快に感じたとする者の筆頭には、CHP元党首のデニズ・バイカルが真っ先に挙げられる。一昨日の夜、議員数人と集まったバイカル氏は、CHPのヒュセイン・アイギュンが利用され、PKKの目的を達成する道具にされようとしたと指摘した。党議員でアンカラ弁護士会のメティン・フェイズィオール会長はというと、不快感を世論と共有した最初の人物だった。

フェイズィオール氏は書面での発表で、アイギュンの名を伏せ彼を厳しい言葉で批判した。同氏は「立法、行政、司法を代表するいかなる者も、非情な暴力に訴え、襲撃そのものに訴える手段を普通のこととした分離主義者であるテロ組織を、『正当な戦士でありわれらの兄弟』からなる、まっとうな考えを持った組織として説明してはいけない」と述べた。

■クルチダルオール党首、アイギュン議員をアンカラへ呼び寄せる

党内での当惑はCHP党首クルチダルオール氏に行動を起こさせた。(アイギュン議員の)発言に同意を示さなかったクルチダルオール党首は、アイギュン氏を急遽アンカラへと呼び寄せた。CHP党首はアイギュン氏と会談し、反発を引き起こした発言を修正し、詳しく説明するよう求めると見られている。

党執行部はというと、1日中説明に追われ、アイギュン議員を擁護した。セズギン・タンルクル副党首は、「ヒュセイン・アイギュンが解放直後行った説明は、人間味あふれる説明であった。不快感を与えるようなものではないし、そうあってはいけない」と述べる一方、アドナン・ケスキン氏は自身にアイギュン議員の発言に関し、耐え難い重荷と感じるようなものはもたらされなかったと明らかにした。同氏は、「我々の友人(アイギュン)は当然ストレスの多い環境から脱出しました。48時間の間に経験した辛い出来事、その影響により、思うに一連の評価を下したのでしょう。しかし今日まで私のところには、発言による不快感という形での苦情は来ませんでした」と語った。

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( 翻訳者:釘田遼香 )
( 記事ID:27368 )