誘拐のAKP郡支部長、解放「政治家を黙らすことはできない」―羊を屠って祝う
2012年08月24日付 Radikal 紙


クルド労働者党(PKK)に誘拐され、昨日解放された公正発展党(AKP)ギュルプナル郡支部長のハイルッラーフ・タヌシュ氏は、「適切な表現か分かりませんが、政治は手錠をかけられています。政治家を黙らせるなら、他に発言する者がいなくなります」と語った。

PKKの構成員らによって7月2日に誘拐されたAKPギュルプナル郡支部長のハイルッラーフ・タヌシュ氏は、解放された後、彼に付き添った親族達、「抑圧された人々のための人権・連帯機構(Mazlum-Der)」のヴァン支部長フアト・デエル氏、人権協会(İHD)のヴァン支部長オメル・ウシュク氏と一緒に、早朝長い車列を組んで街に入った。

彼の家族が住むギュルプナル郡オンギュン村に来たタヌシュ支部長は、村の入り口で出迎えていた犠牲の羊を屠る輪に加わった。

母親のハビベ・タヌシュさんの手にキスをし、他の家族にも一人一人挨拶したタヌシュ支部長は、記者達に対して会見を行った。Mazlum-Der、İHD、そしてヴァン県及びディヤルバクル県の弁護士団の呼びかけによって、約2ヶ月ぶりに家族と再会したという。また、AKP所属の政治家がテロリストに誘拐されたことは、平和民主党(BDP)党員達の逮捕によって沢山の政治家の政治活動の自由が奪われたことであると指摘し、以下の様に語った。

「こうした状況は、アナトリア東部と南東部においてしばしば生じる、または生じられていくであろうものです。表現が適切か分かりませんが、政治は手錠をかけられています。政治家は、この地域や我が国における国民の諸要求を、下から上に運ぶ者達です。もし、あなた方が彼らを沈黙させるなら、他に話すものはいなくなります。従ってNGOの役割は非常に大きなものとなります。私はここから呼びかけます。彼らには事件の深刻さを理解し、この深刻さを必要な関係各所に伝えてほしい。他のNGOも、これらのことで仲介役となり、人々の、選挙民の声を届けられるようになるべきでしょう。」

タヌシュ支部長は、誘拐されていた日々についてもいつでも話す準備があるとして、次のように付け加えた。

「人はそこでは何よりもまずアッラーと一人で向き合います。近いうちに我らは皆死に向かうのです。私はまったく酷い振舞いや非人道的な扱いを受けませんでした。そこでは一人の政治家を尊重するように彼らは私を扱ってくれました。ただし(山岳地帯という)自然条件はもちろん厳しく、歩くのが難しかったりしました。こうした困難はありました。」

「離党しようとお考えですか?」という記者の質問には、次の様に答えた。

「私はAKP党員であるために誘拐されましたが、このようなことは今この時に話すことではありません。2ヶ月近く私の家族、友人は大きな苦しみを受けていました。我らシェムスキ族は、個人の決定を決してとることはありません。我らの部族は多くの立派な年長者がおり、集会もあり、自分の家族もいるのです。部族の意見は、この誘拐事件の後、私にとって重要となることは当然です。しかし、今は私は職務に就いています。すなわちギュルプナル郡長なのです。」

Mazlum-Derのヴァン支部のデエル支部長は、タヌシュ支部長の家族の申し出を受けて今回行動を起こしたとして、「私たちの団体の創立目的は、この種の被害をなくすこと、この種の事件を見事な形で解決することです。我々は彼の家族の申し出に、すぐに行動を起こし、その結果、タヌシュ支部長を家族に会わせることが出来ました。これが我々の人道的な任務なのです」と語った。
タヌシュ支部長の4歳になる息子のハムザ君は、会話の後で父親の首に数分に渡って抱きつき、İHDのヴァン支部長ウシュク氏の頬にキスしてお礼をした。

その後、タヌシュ支部長を迎えに来た者達に村で朝食が振舞われた。

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:濱田裕樹 )
( 記事ID:27443 )