UAEの本屋でベストセラーの料理本
2012年8月27日 月曜日『アル=ハヤート』
【アブダビ:アッ=シャイマー・ハーリド】
アラブ社会における大多数の人々-特に男性-は、食事はともかく、行為としての料理を大変軽視し続けてきた。このことは、「家事」と名付けられた奉仕の形で私たちにもたらされる、全ての事柄に対する侮蔑の一種である。当然ながら、この労働に対する過小評価は、多くの歴史的蓄積と理由により、通常女性がそれを行う者であるということを形作った。今日、我々が最もよく売れている本は料理本の類であると言う時、それは「家事」を行う者、あるいはどんな場所であっても食事の類を提供する者全てに対する評価を、まさに意味するのである。そして文化人や様々な種類の書籍や小説の出版対象になっているそれ以外の人々に-それらの書籍はアラブ世界で流通の低迷に苦しんでいるが-自分たちがそれに興味を求められたときに、そのことを認めないようにさせている。例えばアラブ首長国連邦では、料理本の売り上げは、ラマダーン、イード、イースター、クリスマスなど様々な行事の際に一番になるが、一方で年間を通して概して上位にあるが、二番手にとどまっている。
【テレビ画面の本】
料理フェアのマネージャーであるジャード・アル=ファキーは「アラブ首長国連邦の人は『簡単な料理』『台所での創造』、フルード・アル=アティーク(訳者注:アラブ首長国連邦の料理研究家)の『サラーリード』といった、アラブ首長国連邦と湾岸諸国のレシピが載っている、本それ自体に傾いている」と話す。しかし他のアラブ諸国や西洋からの顧客の割合は少なくない。また彼は、全ての国で求められる本の種類が大変多様であることに注目している。ところがアラビア語で書かれた料理本は通常、スターである「シェフ」の輝きに押されて存在している。彼は、「料理番組の知名度が増せば増すほど、そのシェフは『アブダビ・チャンネル』や『ファターフィート(注:料理専門チャンネル)』、『ドバイ・チャンネル』といったような放送局で人気となる。だから番組のスターが出版するどの本も、輝かしい成果を出している」と語る。
2007年に出版された『マナール・アル=アーリムのキッチン』という本は、概してアラブ首長国連邦で月間売上ナンバーワンになっている。一方で彼女はラマダーンのレシピの新刊を今年も発表し、長い間注文書籍リストに入り、また彼女の人気番組は、アブダビ・テレビ、MBC放送、その他の放送局でオンエアされ続けた。一方で、自分の番組を持っているシェフのウサーマ・アッ=サイイドの複数の本の売り上げは落ちた。彼はドバイ・テレビで「ベストなウサーマとご一緒に」というタイトルの番組にひとしきり出演して成功していた。宣伝の類は、他のもの以上に本のマーケティングのために魔法のような働きをする。アブダビ・チャンネルとドバイ・チャンネルの両放送局からの大きな支援を受けて注文されるようになった「サラーリード」のような本だ。しかしながら他のいくつかの本-その本の料理番組の視聴への関心が薄らいだり、あるいはシェフらが首長国連邦の人々の前から姿を消したとしても-は、未だ上位を競い合っている。その中でも最も重要なのは、『キッチンのフーリーヤ』という、「ファターフィート」の番組と同じ名を付けたフーリーヤ・ザヌーンの本と、「アブダビ・チャンネル」と「アル=ムスタクバル」両放送局の番組シリーズで有名になったアナーヒード・ドゥニーギヤーンの『アナーヒードの旅』という本である。
(後略)
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( 翻訳者:岸本聖美 )
( 記事ID:27463 )